沖縄普天間基地の名護市への移設。先に投票が行われた名護市長選挙は、移設受け入れ派の現職が反対派の新人に僅差で敗れた。僅差といえどもその敗因、明々白々豆鉄砲。
鳩山民主党政権が地元に「飴(アメ)だけくれてやる」―――としたからで。つまり60億円の助成金(沖縄北部新興策)、これを22年度に計上し「基地移設とは切り離す」としたからで。これぞ選挙妨害援護射撃。
普天間基地を名護市辺野古に移すこと。国や沖縄県そして地元・名護市との、長い年月の交渉経て、ようやく地元が受け入れ容認と決めたのだ。基地受け入れ(ムチ・鞭)と助成金(飴)、これをセットにした提案を地元がのんだから。
ともかくも、永年の難問は決着していた。日米間ならびに地元沖縄でも、解決済みの問題で、国・沖縄県・普天間・名護の一致点。
しかるにそれを鳩ポッポ。総理に就任するや霹靂(へきれき)の「東アジア共同体」―――そんな戯言ぶち上げて、沖縄の基地移設の日米協定なんぞポイ。合意を反故(ほご)にした挙句―――来日した米大統領に「すぐやる、トラストミー」
とかなんとか口から出まかせ嘘八百。虚仮(コケ)にされたる同盟国、ブッシュ親分その郎党ら、「アン?」の驚き怒りに変わり、にっちもさっちもの、いまや日米破綻寸前。鳩だけがアッケラカンのカーンで、その中で行われた名護市長選・・・
選挙に向けて「賛成でも反対でも助成金は出す」なら、みーんな左向け左で即反対。移設反対派を有利に導く隠し玉。囮(おとり)毛鉤(けばり)鴨デコイで、特大の人参ぶら下げたということよ。
選挙後の鳩山内閣の「普天間移設への取り組み」も、ますます混迷に拍車がかかる・・・なーんて、それは本当は見せかけで、平野官房長官の「名護市長選の結果は影響させない」の発言も、一見それに火に油、支離滅裂混迷の、度合い深まるかの様に、見せる歌舞伎の勧進帳。あれも「わざと」騒いで見せる、世の中惑わす芝居だで、小泉顔負けの猫騙し。
長年にわたる基地移設交渉で、一番難航したのは移設先、つまり「場所」だと思われがち。されどの本当の焦点はさにあらず、「カネ」よ。移設の費用の方なのだ。
日米間の分担割合も揉めました、はい。それ以上に難航したのが、国と沖縄の間の折衝で、移設に伴う膨大な経費、移設先の基地建設費のその中身。特に移転先とされる名護市については、その滑走路や兵舎付帯設備、米軍住宅、さらにはそれへのアクセス道路、港湾、娯楽施設飲み屋街。
その建設費・維持費・助成金、それに怪しげな業界筋へのマージンも、含めてン千億をめぐる争奪戦。中央ゼネコンの取り分と、地元業者との割合とか・・・そういう駆け引き鬩(せめ)ぎあい。業者・族議員巻き込んで、延々続いた大談合。コージーオミやら中村しょうちゃん、ホリエモンまでしゃしゃり出て、蛇皮線エッサー守禮門。
米国はハゲタカ武器商人、ゴールドマンにブラザーズ。日本はゼネコン、ウチナンチュー。入乱れての奪い合い。底なし軍事費萬金丹。ハニ―カステラ文明堂。甘い汁めぐる談合も、やうやう手打ち落ち着いて、辺野古の海を埋め立てる、寸前だったそのあした、青天の霹靂―――政権交代!。
土建屋の元締めそのイチが、与党政権党の大幹事長。「沖縄の談合?聞いてねえ」のひとことで、普天間移設は振り出しの、ガラガラポンのやり直し。一蓮托生傀儡バト。
イチの言いなり5月まで、時間稼ぎの混迷策。ゼネコン談合仕切り直し。県内県外移転先、そんなの何処でもこれよくて、業者業界みな民主へと、米軍基地でも締め上げる。民主の政治カネと数。
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4895 迷走は小泉顔負け猫騙し 山堂コラム

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