過去六年間で初めて。異例の格下げをめぐる噂。中国の銀行は安易な貸し出しが異常であることを感得し始めたようだ。あまりに早急なクレジット供与拡大に不安を抱いているからだろう。
格下げされた銀行は中国CITIC銀行と中国招商銀行。ABCDランクで[D]となった。フィッチがカバーする他の14の銀行の格付けは変更がなく、またムーディズとS&Pの二社は、フィッチと評価を異にして格付けは変更なし(フィッチは世界的な格付け機関のひとつ)。
Dとは、普通の投資家ならまず投資しない対象。
中国銀行関係者は不動産貸し出しには金利を高めに設定しているという。
2009年の貸し出しは1兆4千億ドルで、これは08年の二倍。いまの段階では「不良債権は低率である」(ウォールストリートジャーナル、2月3日)。
理論的に言えば外貨準備高が2兆400億ドルだから、不良債権の埋め合わせを外貨から回してできる。最近、中国が米国債券購入を減少させている事実と、銀行の不良債権の隠蔽とはどのような因果関係となるか?
フィッチは「隠された不良債権は入手できる範囲の情報公開からは正確に計算は出来ない」としながらも、格付けレートの格下げは六年ぶりであるとした。
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4921 フィッチが中国の二つの銀行を格下げ 宮崎正弘

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