4964 ユーロを狙えと投機筋が80億ユーロを空売りへ 宮崎正弘

ギリシア、スペインの経済危機でユーロの脆弱性が投機対象に。英紙フィナンシャルタイムズ(電子版、9日)が速報している。投機筋がユーロの空売りに動き出した。投機資金は80億ユーロ(9800億円)。
BRICSだのNICS(NIESの前身)といわれ、今度はPIGS(ポルトガル、イタリア、ギリシア、スペイン)。
ユーロに加盟したが、赤字財政の上限などの基準を守れず(たとえば財政赤字は単年度GDP3%以内とか)、統一通貨であるために猛烈なインフレの襲来に経済がガタガタになった国々。とくにギリシアとスペインが筆頭。ギリシアの貿易赤字は432億ドル(同期のドイツの黒字は1817億ドル)。
経常収支の赤字はギリシアが対GDP比でマイナス12・4%,ドイツはプラス4・2%。つまり、統一通貨は貧困諸国を逆に脅かし、ドイツもこれ以上の犠牲に耐えられなくなって悲鳴を挙げる(数字は英誌「ECONOMIST」、2月6日号)。
いずれ破綻がくるだろうと予測されてはいたが、統一通貨のバランス維持が不可能とみた投機筋が一斉に空売りに動き出した。投機筋が動かしているカネは80億ユーロと推定される。
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