4982 消費物価のインフレは問題じゃなかった中国 宮崎正弘

工場出荷ベース(生産物価)は二倍のハイパー・インフレ。「想定内」のこととはいえ、当局の発表数字と現場の経済実態との間には天地の乖離がある。
インフレは2-3%と発表されたばかりの中国で生産物価は過去十五カ月に二倍以上になっていることが分かった(ロイター、香港発。11日)
金融引き締めと金利上昇で市場への通貨供給量を劇的に減らし始めた中国だが、予想をこえるインフレ。旧正月のための消費ブーム。矛盾した経済状況の中で金融政策の舵取りが注目されている。
国家統計局の公表数字では生産物価は昨年師走が前年同期比1・9%、ことし1月速報では4・3%の上昇を示した。同期の消費者物価は1・5%しか上昇しておらず小売店は利益を圧縮したが、在庫調整で値上げに踏み切れないでいるようだ(ヘラルドトリビューン、2月12日付け)
ただし食料品は4・5%の上昇である。中国人民銀行は通貨供給を前年比増27・7%から17%台へ急激に引き下げると発表(12日)、旧正月明けから実施されるという。
米国エコノミストの間では、これは人民元切り上げの前兆として捉えており、インフレを調節するために金融引き締めをはかり、ドル相場への介入を減らし、金利を上げるなどによって米中の通貨バランスを図ろうとする施策であろう、という分析が主流となっている。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト

コメント

タイトルとURLをコピーしました