5024 やはり歴史は鑑だ、国策不捜査、シーシェパードなど 西村眞悟

この十日ばかり、各地を訪れて話たり考えたりしたことをまとめておきたい。本日の朝刊の一面も、「政治と金」のこと。実に、政治は低調。これが、浮かれた選挙で出てきた「政権交代」の姿だ。交代して何が見えてきたのか。それは、日本解体、亡国、その前の腐敗した醜悪な実像だ。しかも、これは政権交代前に戻しても何も解決しない。
この亡国の坂を滑り落ちるような惨状からの脱却は、戦後体制、六〇年体制を打破する以外にない。惨状のなかで、このことが明らかになってきた。政権交代の意義はここにある。今の政治状況に関して適切な一文があるので次に紹介する。
 
その前に、小沢氏と周辺は、自らに関する検察の捜査について、盛んに「国策捜査」と吹聴していた。では、先日の不起訴という決定は何か。それは、「国策不捜査」の決定に他ならない。一月十六日の民主党大会で、小沢氏らは「断固闘う」と叫んで全党挙げて検察の「国策捜査」を「国策不捜査」に持っていったわけだ。
 もちろん、けしからんことだ。小沢一派は、支那という人治の国になびきすぎて、もはや法治が理解できなくなっている。
 
さて、適切な一文とは。
「民主党は自民党のクローンのような政党(それも自民党をより醜悪にしたかたち)であり、その実態は、旧田中派の小沢一郎幹事長と日教組出身の輿石東幹事長代行の連携の上になりたっているという点で、まさに『五五年体制』ないし『六〇年体制』下の国対政治の再現といっていい。」
「かつては政党間で行われていた談合が、今や小沢主導で、民主党という政党内部で行われている、それだけのことである。」
まことに適切なこの一文は、「政権交代のまぼろし」産経新聞社刊のプロローグに書かれている。著者は、遠藤浩一氏。私とは、民社党で同窓。彼は、この本に書かれている各論文によって、第一〇回正論新風賞を受賞している。
この遠藤浩一著「政権交代のまぼろし」は、近日発売される。一読をお勧めする。三月一日発売の雑誌「正論」に、私のこの本の書評を掲載していただくことになり、昨日原稿を送信した。
次に、鳩山君の「友愛の海」の向こうで由々しきことが続いている。それは、シーシェパードという反捕鯨の団体が、我が国の捕鯨船に執拗な暴力的妨害を加えていることである。これを放置すれば、危機が一挙に拡がりかねない。
では、どうするのか。
断固として、一挙に鎮圧すること。乗員は全員逮捕する。彼らの全ての船は犯罪組成物件として日本まで曳航して没収する。抵抗し、追突してくる船は沈める。もちろん、溺死者が出る可能性がある。しかし、その責任は、100%、シーシェパード側にある。
この決意と実力行使をする体制がないから、シーシェパードの捕鯨妨害はしつこくエスカレートしてきているのだ。遙か南の海にいる我が国の捕鯨船は、国民が拉致されても救出する術のない無防備な日本そのものである。
 
日本人とエスキモーは鯨の肉を食べる。毛唐は、十九世紀に鯨の脂だけを目当てに乱獲し鯨を絶滅の危機に追い込んだ。しかし、日本人は、古来、鯨に感謝して戴いてきた。
鯨を食べる何処が悪い。牛、馬、豚、羊、兔、などの陸のほ乳類を食べまくるのが西洋料理ではないか。鯨を捕ることが残虐なら、彼らの食文化の方がもっと残虐だ。それを自分のことは棚に上げて正義面をして、日本人の捕鯨を攻撃する。シーシェパードの連中の、この人種的偏見に基づく傲慢は、腹に据えかねる。
明治初期に日本で住んだモースは、日本人の穏やかで控えめな礼儀正しさに接して、日本人が西洋人を毛唐と呼ぶのが分かったと書いている。シーシェパードの連中は正真正銘の毛唐だ。
日本政府は、海の上では断固とした実力で妨害を排除するとともに、シーシェパードに基地を提供している白人の国々からの、牛肉、豚肉、などの輸入を禁止すべきである。そして、我が国の食文化と古来からの鯨に対する思いを各国にアピールすることが必要だ。
 
それから、時々、海岸に鯨が打ち上げられるとニュースになる。そのニュースを見ていると、しっぽにロープをかけて海に戻したり、死んでおれば砂に穴を掘って埋めたりしている。
これからは、こんなもったいないことをしてはならない。鯨に感謝して海岸周辺の村々で戴かなばならない。弱った鯨を海に戻しても、餌もとれず衰弱して、肉食の魚につつかれながら死ぬだけだ。日本人は、古来、鯨を食べてきた。こそこそせずに、正々堂々と食べ続ければよい。
ところで、私は何を想起してシーシェパードに対する強硬論を述べているのか。
それは、今は戦後の自虐史観の中で忘れられているが、支那大陸において、我が国と在留邦人がテロの標的にされていった切っ掛けとプロセスである。
一九二六年七月、蒋介石は「北伐宣言」をして北上をはじめ各地の軍閥を攻撃する。一九二七年三月、北伐軍は、南京に雪崩れ込む。そして、日、米、英、仏各国の領事館と周辺で外国人を標的にした暴行略奪を大規模に実施しはじめた。これが、本当の南京事件である。
この時、米、英の各国は、北伐軍の暴行から国民を断固として守るために、揚子江に浮かべた軍艦から北伐軍に向けて砲撃を開始した。
しかし、日本は、幣原外務大臣の協調外交によって、米英と共同行動をとらず、砲撃をせずに北伐軍に対して「無抵抗」の姿勢をとった。
その結果はどうなったか。断固とした措置をとった米英などの諸国に対する攻撃はピタリと止み、もっぱら無抵抗の日本が攻撃対象になった。そして、山東半島まで北伐軍が北上して日本の山東出兵につながってゆく。
支那大陸における日本と日本人に対する絶え間のないテロの始まりだった。これが、幣原協調外交の結果である。
 
協調する相手は支那人、蒋介石ではなかったのだ。あの時、米英と協調して断固として北伐軍に砲撃を開始しておれば、二十世紀の歴史は変わっていたかも知れない。少なくとも、日本が米英と協調しておれば、中国共産党が支那大陸の権力を握ることはなかったであろう。
そして中国共産党が権力を握らなければ、欧米の学者がいうように、毛沢東によって八千万人の支那人が殺され餓死したというような惨害は起こらなかった。
日本人の感覚では、相手に対して理解と協調の姿勢を示せば、相手も理解と協調で応じると思う。しかし、これは日本国内だけのこと。支那大陸では、昔も今も通用しない。もちろん、シーシェパードの連中にも通用しない。
日本人の協調と無抵抗の姿勢を、彼らはどう受け取るのか。既に歴史が示している。彼らは、何のリスクもなく安心して攻撃できる対象だと判断する。
従って私は、シーシェパードの攻撃と日本の対応に危機感を持つ次第だ。このような、国家間、国際間のことを軽視してはならない。日本の対応を周辺諸国は観察している。
その上で、東シナ海、また、インド洋で某国、および某国を拠点とする組織から、「リスクのない攻撃対象である日本」に対して何が仕掛けられるか分からない。
とろこで一九二七年、日本人を攻撃しながら北上する北伐軍の司令官である蒋介石は、その間何をしていたか。南京事件の年、温暖な日本の有馬温泉で宋美麗と結婚式を挙げていたのだ。
昨年末に来日した習近平(「はっかい」のような顔)、そして、来日する胡錦涛ら中国共産党の幹部は、本国では、朝から晩まで日本非難をして反日教育を続けながら、しゃーしゃーとして日本に来て日中友好と言ってにやにやする。
昔も今も、支那人は変わらない。
さて、二月十六日は、小中華北朝鮮の金正日の誕生日である。そこで、特定失踪者調査会の荒木和博代表らは拉致された日本人の解放と圧制下に苦しむ北朝鮮人民の為に「金正日とその体制打倒宣言」を行った。
もちろん私も、その打倒宣言に参加している。日本は、断固として金正日とその体制打倒の方針を堅持しなければならない。
しかし、鳩山総理は、金正日との協調路線である。参議院の選挙前が危ない。鳩山訪朝により、二、三名の拉致被害者が「出てきて」日本に帰国する。その餌に釣られた訪朝だ(実は、小泉訪朝も同じだった)。その見返りに一兆円が北に流れ、数百名の拉致被害者は見捨てられる。私は、鳩は冷酷と見る。苦労なく何不自由なく育った者ほど、人には冷酷だ。彼の目を見れば分かる。従って、目を離せない。
ここでもう一つ、歴史の類似性を指摘しておきたい。既に、国民運動としての拉致被害者救出活動が始まって十三年が経つ。
その初期の時期には、拉致された日本人のことには蓋をして無視しながら日朝国交樹立の為に訪朝を繰り返す超党派の連中がうようよいた。言うまでもなく、利権のためである。金の延べ棒が出てきた家もある。
しかし、今その者達の多くは、政治力を失い、あるいは裏に潜んでいる。つまり、拉致被害者救出という我が国の国家としての課題を無視して公然とは活動できなくなっている。これは、拉致被害者救出という国民運動の成果である。
そこで、現在中国に対してはどういう情況であろうか。十年前の対北朝鮮の構造と同じではないか。
現在、中国共産党のウイグル、チベットにおける残虐な所業と国内の民主化活動家に対する容赦のない弾圧、そして、毒餃子問題の放置のみならず日本と日本人に対する絶え間のない名誉棄損と内政干渉に目をつぶって相手に迎合し、日中友好を唱えて訪中する超党派の面々がうようよいる。
その中の一人は、金の延べ棒より重たい現金を家に運んでいた。繰り返すが、これは十年前の対北朝鮮の情況と同じだ。よって、速やかに、このような国家への忠誠心なき中国共産党の傀儡は、日本政界から掃蕩されねばならず、その為の国民運動と政界再編が急務である。
 
対北朝鮮の拉致被害者救出の国民運動に加えて、対中国共産党の救国国民運動が開始されねばならない。私の住む堺市(人口八十万余)では、その開始の合図として「外国人参政権阻止」を訴えるチラシを春までに全戸配布する予定だ。
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