イランの核施設攻撃へ準備完了。イラク、シリアの核施設破壊の実績。1981年4月、イラクのオシラク原子炉をイスラエル空軍は空襲破壊した。フランスの援助でオシラク原子炉は完成直前だった。イラクの独裁者だったサダム・フセインの核武装の野望は夢と消えた。
2007年、シリアで建設が秘密裏にすすみ、完成直前と言われた核施設をイスラエル空軍機が奇襲し、木っ端みじんに破壊した。
イランはイスラム原理主義過激派が政権を掌握して以来、核兵器開発が急がれ、十数カ所の地下に分散された核施設ではプルトニウム濃縮が開始されている。国際政治の舞台ではイランへの批判が強まっている。
欧米列強はイラン制裁を強化し、中国とロシアにも国連を通じて協力を要請しているが、ロシアは欧米に巧みに反論して態度を曖昧としており、中国はひたすらイランの味方となって米国を苛立たせている。
なぜかくもイラク、シリア、イランが核兵器に拘るのか。
それは潜在的な歴史意識と地域覇権の野望である。イラクはネブカドネザルの夢、シリアは大アッシリア帝国の再来を夢み、またイランはいうまでもなくペルシア大帝国の再現に、その潜在する野心がある。
イスラエルは2月21日、内外記者団を集めて新型ドローンを初公開した。「ヘロンTP」と命名された新型の特製無人攻撃機ドローンはボーイング737機とおなじ大きさ。
▲イスラエルの奇襲に備えるアーマドネジャッド政権
イスラエル国有企業「イスラエル・アエロスペース産業」が開発したもので、飛行継続時間は20時間、優にイランへの往復航続距離を誇り、偵察とミサイル発射機能をそなえる。
エヤル・アセンハイム空軍准将は「このドローンは多くの任務を果たすことが出来る。空軍の夢を実現できる画期的なものであり、イラン攻撃だけが目的で開発されたのではない」と記者会見した。
アハマドネジャッド・イラン大統領はただちに「イスラエルは春か、夏にイランへの攻撃準備をしているが、我々は平和利用の核開発が目的である」と反論した。
しかしベンジャミン・ネタニヤフ=イスラエル首相は「軍事行動をとる予定はない。西側は制裁を話し合っている時に、我々が攻撃準備をしているなどとするイランの反論は悪質な情報操作に過ぎない」と軍事攻撃説を否定した。
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5047 イスラエル空軍、「特製ドローン(無人攻撃機)」を初公開 宮崎正弘

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