日本経済が低迷期から脱していないのは、広告費の減少傾向が続いていることでも明らかだ。これが新聞経営に打撃を与えている。テレビの広告減もとまらない。新聞の場合は新聞代である購読費と広告費がほぼ半分づつであるから、テレビの方が広告減の直撃を受けているともいえる。
電通の発表によれば、新しい媒体であるインターネットが2009年に初めて新聞広告費を上回ったという。新聞、テレビが二年連続で前年を下回ったのに対して、ネット広告費は前年比1・2%の増。
この数字を見るかぎりネット広告費が爆発的に伸びて、新聞広告費を抜いたわけではない。不況が続く中で企業が新聞やテレビの広告を減らした影響の現われなのだろう。
とはいえネット広告は完全に市民権を得た。新聞広告費は販売部数で広告効果を計ることが出来るし、テレビは視聴率で広告効果をみることが可能である。ネット広告の効果については、グーグルやヤフーの厳しい検索エンジンで推し測る手法が生まれているが、まだ誇大広告に近い自己宣伝が横行している。
これが払拭されれば、ネット広告が新聞広告にとって代わる時代がくるのではないか。何よりも商品の注文がインターネットで簡単に出来ることが最大の武器となる。人気が高いブログやメルマガが、広告媒体として珍重される時代が、目の前にきている。
<電通が22日発表した2009年の国内の総広告費は、景気低迷による企業の経費削減などの影響で、前年比11・5%減の5兆9222億円となり、2年連続で前年を下回った。減少率は1947年の調査開始以来、最大だった。
新聞、雑誌、テレビ、ラジオの主要4媒体の広告費合計は、同14・3%減の2兆8282億円で、総広告費に占める割合は47・8%にとどまり、2年連続で50%を割り込んだ。テレビは1兆7139億円(前年比10・2%減)、新聞は6739億円(同18・6%減)だった。
一方、インターネットは同1・2%増の7069億円で、初めて新聞を上回った。ただ、ネットの広告費には、関連ホームページの制作費などが含まれており、こうした費用を除けば新聞がネットを上回っているという。(読売)>
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