民主党の小沢幹事長の求心力低下を象徴する出来事が生じている。四日、生方幸夫副幹事長ら同党の衆参国会議員41人が「「政府・与党一元化の下での政策調査会(政調)の設置を目指す会」を結成し、国会内で初会合を開いた。
民主党の政策調査会は、政府・与党一元化の小沢方針で昨年に廃止された。それの復活を求める議員集団の会合だから、いきおい反小沢の動きと臆測を呼んだ。会のメンバーも小宮山洋子氏、安住淳氏、玄葉光一郎氏、筒井信隆氏、平岡秀夫氏ら小沢氏と距離を置く面々。
ここにきて一日夜に渡部恒三元衆院副議長、仙谷由人国家戦略担当相、岡田克也外相、前原誠司国土交通相、枝野幸男行政刷新担当相、野田佳彦副財務相、玄葉光一郎衆院財務金融委員長の七人が、東京都内の日本料理店で会合を開き、反小沢会合と騒がれたばかりである。
剛腕・小沢幹事長の下で民主党の衆参両院議員は、一致結束弁当でヤジ応援と拍手するだけと揶揄されていたが、自由に発言できる民主党本来の姿が戻ってきた。まだおっかなびっくりで腰をひいた面があるのは否めないが、よもやの長崎知事選の惨敗以来、危機感を抱く民主党議員が増えてきた現れといえる。
案外、この動きが小鳩内閣の支持率低下に歯止めをかける働きをするのかもしれない。
<民主党の生方幸夫副幹事長ら同党の衆参国会議員41人が4日、「政府・与党一元化の下での政策調査会(政調)の設置を目指す会」を結成し、国会内で初会合を開いた。
昨年廃止した党の組織である政調の復活のほか、〈1〉政調会長は重要閣僚が兼務〈2〉政調の下に各省庁に対応する部会と、中長期的な政策を立案する「基本政策委員会」を設置――などの要望案を取りまとめた。近く鳩山首相と小沢幹事長に申し入れる。
会を主宰した生方氏は冒頭のあいさつで、小沢氏が政調復活を認めず、各省政策会議の充実などで対応する考えを示していることに対し、「幹事長の案では党の活性化には遠い。幹事長に盾突こうという会ではないが、政調を立て直してほしい」と述べた。
会合では、「政策会議をいじっただけでは本来の議論の場にならない」(小宮山洋子衆院議員)、「党が息苦しい。政策の議論ができない党なんて聞いたこともない」(安住淳衆院安全保障委員長)など不満が続出した。
玄葉光一郎財務金融委員長、筒井信隆農林水産委員長、平岡秀夫衆院議員らのほか、政府から田村謙治内閣府政務官も出席した。議員の代理出席も7人いた。
小沢氏ら執行部は、参院選に向けたマニフェスト検討組織の新設や、政策会議への閣僚出席によって、政府入りしなかった議員の意見を聞く方針を決めており、生方氏らの主張は受け入れない構え。会のメンバーには小沢氏と距離を置く議員が多く、党内対立が強まる可能性もある。(読売)
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