5134 鳩山政権は無国籍で個々バラバラな社会を目指すのか 阿比留瑠比

鳩山首相は昨夜、高校無償化法案の対象に朝鮮学校を含めるかどうかの問題に関連して、「(社民党の)阿部知子(衆院)議員のほうから、朝鮮人学校の方々に会っていただけませんかという話がありましたから、そのことは検討したいとは思っています」と語りました。これについて、官邸関係者は「首相が会って(カネを)出さないということはないだろう」と言っていましたから、そういう方向で話は進んでいるようです。
だとすると、鳩山氏は当初は「朝鮮学校は外すべきだ」と主張している中井拉致問題担当相の意見に理解を示していたのですから、またブレたことになります。まあ鳩山氏の言葉は紙よりも軽いし、その時点での思いつきを口にしているだけなので、もとから信用はしていませんでしたが。それにしても、鳩山氏も平野官房長官も川端文科相もみな、「拉致問題とこの件は関係ない」と強調するのは納得できません。第一、拉致問題は、持てるカードすべてとリンクさせて取り組むべき国家の最重要問題であるはずです。
また、朝鮮学校はこれまで北朝鮮本国から累計460億円もの資金援助を受けて民族教育を行い、主体思想などを教え、今も金日成、金正日親子の肖像画を飾るなど、北朝鮮と明確に結びついているのですから、拉致と関係ないとどうして言えるのかと不思議なくらいです。拉致実行犯には、確か朝鮮学校の校長もいましたし。
一方、鈴木寛文部科学副大臣は5日の衆院予算委員会で、外国人学校の生徒に支援金を支給することについて「フランス、ドイツで一部の外国人学校に助成している例はあるが、世界に先駆けた取り組みだ。この趣旨を諸外国、世界に発信していきたい」と述べました。要は画期的なことだと自慢しているわけですが、海外の日本人学校には出さないカネを、なんで国内にあるからといって外国人学校に出すのかという疑問は、実は政府内からも漏れ聞こえてきます。
この問題について、3日に衆院文部科学委員会の視察団に同行して東京都北区の東京中高級学校を見てきた小田博士記者は、産経紙面にこう書いています。
《「教育の憲法」と呼ばれる教育基本法(平成18年12月施行)との不整合という問題点も浮上している。教基法4条は「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず…差別されない」と規定する。平等に扱う対象はあくまで「国民」が前提だ。
ところが無償化法案は、公立高校授業料と同額分を支給する就学支援金の対象者を「日本国内に住所を有するもの」と明示。外国人参政権問題と同じく、国籍よりも住所地を重視する姿勢がうかがえる。
政府関係者は「教基法の精神を踏まえれば、海外在住の日本人子女に支援金を支給し、国内に住む外国人には一律不支給とするのが筋だ。朝鮮学校だけが注目されるから差別と騒がれる」と話す。》
小田記者が指摘するように、この政権は国籍を軽んじる傾向が明確にありますね。現在、政府は、千葉法相と福島少子化・消費者担当相を中心に夫婦別姓を実現しようと動いていますが、民主党は昨年11月には35人の議員が集まって戸籍法改正議員連盟も立ち上げています。これは、戸籍そのものをなくそうというもので、千葉法相もかかわっています。
鳩山氏は、「日本列島は日本人だけのものではない」と繰り返していますし、福島氏は著書に「子供が18歳になったら『家族解散式』をやろう」「私は、事実婚なのか、法律婚なのか、まったく分からなくした方がいいと思うんです」と書いています。彼らは、無国籍社会→家族解体→完全にバラバラな「個」だけの社会という道筋でも思い描いているのでしょうか。そんな社会のどこがいいのか、どこに理想があるのか私には全く理解できません。
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