前途にはまだまだ「暗い日々」とゲーツ国防長官がアフガン現地入り。次はカンダハル地区制圧、ゲリラは一部地域で内ゲバ。
三万増派決定からは最初の訪問となるが、昨日(10年3月8日)、ロバート・ゲーツ米国防長官がアフガニスタン入りした。
カルザイ大統領、マクリスタル現地司令官と共同会見に臨んだゲーツは「マルジャ作戦は01年介入以来、初の成功を収めた。次の目標はカンダハル地区の制圧である。緊張をゆるめてはならない。まだまだ前途に拡がるのは暗い日々だ」と対タリバン戦争の展望を述べた。
首都カブールではゲストハウスがタリバンの自爆テロに襲撃され、南部コストでは警察署が襲われるなど、被害は続いている。にもかかわらずカルザイ大統領は「タリバンからの投降が多い」と楽天的である。
バグダン県ではタリバンと「ヘズビ・イスラム」派(ヘクマチアル派)が縄張りを争って銃撃戦を展開し60名が死亡した(アルジャジーラ、9日)。
ヘクマチアル派の地盤である山岳地帯にマルジャから逃れてきたタリバンが立て籠もり、影響力を拡げているうえ、いまは穀物の収穫期にもあたり、この勢力圏変化という事態への反発という。両者はかつては同盟、いまは縄張り争い。
オバマ大統領は三万増派の発表(12月、陸軍士官学校)と同時に2011年7月からの撤退開始を宣言しており、戦争の期間が限定されている。
アフガンどころかインド洋上の給油活動からも逃げ去った日本は、今後の世界の地政学を策定するアフガニスタン、パキスタン情勢にまったく関心がない。
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5145 ゲーツ国防長官がアフガン入り 宮崎正弘

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