5154 ガタルカナル的な詭弁ではないか 古沢襄

<前原誠司国土交通相(47)は9日午前の記者会見で、内閣支持率の下落を受け、小沢一郎民主党幹事長(67)の政治資金問題に触れ「政権交代をしたという歴史的使命感に立って当事者が判断することだ」と述べた。自発的に進退を検討すべきだとの考えを示した発言だ。今後、閣内や党内から小沢氏に進退検討を求める声が強まる可能性もある。
ほかの閣僚からも支持率下落を受けた発言が相次ぎ、直嶋正行経済産業相(64)は「政治とカネの問題も原因の一つ」として首相や小沢幹事長が重ねて説明責任を果たすよう求めた。原口一博総務相(50)は「一定の支持率がなければ変革はできない」と政権運営への影響に懸念を表明した。
小沢氏は9日午後、名古屋市で記者会見し、「(前原氏の)発言を直接聞いたわけではないので、論評する立場にない」と述べるにとどまった。民主党支持率の下落に関しては「一番高いときよりは少し下がっているが、かつての民主党に比べたら、まだまだはるかに高い支持率だ」と強調した。(サンスポ)>
「一番高いときよりは少し下がっているが、かつての民主党に比べたら、まだまだはるかに高い支持率だ」・・・という小沢幹事長の発言が面白い。
肝心の内閣支持率には触れないで、民主党の支持率が下落したものの、まだ高い水準にあると強調した。比例代表の投票先が民主党26・9%、自民党26・3%と拮抗した(共同調査)ことにも目をつぶっている。成る程、こういう抗弁もあると感心するばかり。
さきの戦争でガタルカナルで日本軍は壊滅的な敗北を喫した。大本営は「ガタルカナルから転進した」と発表して敗北を覆い隠した。”転進”とは、他の戦場に向かったということである。国民は、それを信じた。
開戦当時の大本営発表は彼我の戦果について正確であった。敗色濃厚になるにつれて、嘘で塗り固めた大本営発表一色になる。嘘の宣伝で破局まで国民を引きずり込んだ戦争指導者の責任は大きい。
小沢幹事長が嘘をついているとは言わないが、民主党政権が国民から批判されている事態を直視せずに、ガタルカナル的詭弁を弄しているとしか思えない。
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