5209 自由にものを言えない”不自由”党 古沢襄

こういうのを「平地に波乱を起こす」というのだろうか。副幹事長の中に一人ぐらい小沢幹事長に批判的な考えの持ち主がいても不思議ではない。それを「執行部を批判した」として更迭してしまうとは、穏やかではない。民主党は自由にものを言えない”不自由”政党だということになる。
小沢氏に気をつかった鳩山首相は「言論を封じるという話とはレベルが違う。党の中で話をせず、メディアに(批判を)するのが潔いのかという議論だ」と、小沢氏の判断を擁護したという。
しかし、党内の反発は強まる兆しを見せている。火に油を注いだことになりかねない。枝野幸男行政刷新担当相は記者会見で「(生方氏が)何か問題のあることを言ったとは認識していない」。野田佳彦副財務相も「耳に痛い話をした人が辞表を迫られるのは、極めてよろしくない」と批判した。
力で押さえ込むやり方は、むしろ反発の空気を醸成する。この簡単な理屈を鳩山氏も小沢氏も分かっていない。それだけ追い詰められていることなのだろうか。
<民主党の小沢一郎幹事長は18日、政調組織の復活を求めている生方幸夫(うぶかたゆきお)副幹事長(62)を更迭し、後任に辻恵氏を起用することを決めた。高嶋良充筆頭副幹事長が「執行部を批判した」として生方氏に辞任を求めたが、生方氏が拒否したため。生方氏は党常任幹事会に不服を申し立てる構え。党内には執行部の強権ぶりを批判する声が出ている。【高山祐、近藤大介】
「事実がないのに、外部に言うのはおかしい」。18日、高嶋氏は党本部に生方氏を呼び、辞任を迫った。生方氏がインタビューなどで「民主党は中央集権。権限と財源をどなたか一人が握っている」と暗に小沢氏を批判していたことを責めた。
だが、生方氏は「言論の自由がないと言われる」と拒否し、逆に「秘書が3人も逮捕されても何にもならない人がいるのに、何で私が役職を解かれるのか」と改めて小沢氏を批判した。説得が難しいと踏んだ高嶋氏は小沢氏に電話し、「一気に解決した方がいい」と更迭を求めると、小沢氏も「残念だ」と述べ、了承した。党の倫理規則では党常任幹事会が党役職を解任できるとしている。高嶋氏は「事実上の更迭だが(党規上の)処分ではない」と説明した。
生方氏は小沢氏が廃止した党政調の復活を求めるグループの中核的存在だ。党内で会合を繰り返し、約40人の国会議員を集めるなど小沢氏に対する不満の受け皿となっていた。
それでも「筆頭」でもない生方氏のような副幹事長職は、役員会や常任幹事会にも出席できず、幹部とも言えない。にもかかわらず更迭に踏み切ったのは、小沢氏の辞任を求める世論に敏感になっているためだ。
鳩山由紀夫首相は18日夜、首相官邸で記者団に「言論を封じるという話とはレベルが違う。党の中で話をせず、メディアに(批判を)するのが潔いのかという議論だ」と、小沢氏の判断を擁護した。しかし、党内の反発は強まる兆しを見せている。枝野幸男行政刷新担当相は会見で「(生方氏が)何か問題のあることを言ったとは認識していない」と指摘し、野田佳彦副財務相も「耳に痛い話をした人が辞表を迫られるのは、極めてよろしくない」と批判した。
18日、急きょ開かれた副幹事長会議。生方氏に辞任を求めることで一致したものの、慎重な対応を求める意見もあったという。(毎日)>
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