<民主、生方氏解任を撤回 小沢幹事長と協議。
民主党の小沢一郎幹事長ら執行部を批判した生方幸夫副幹事長の解任方針をめぐり小沢氏が23日午後、生方氏と直接協議し「もう一度一緒にやってくれないか」と述べ、事実上、撤回した。鳩山由紀夫首相も生方氏と会った際、「大ごとにならないように」と発言していた。
当初、党執行部は「処分」でなく「人事異動」の形を取り、事態収拾を図りたい考えだったが、世論の批判の高まりを踏まえ、転換。ただ小沢氏の掌握力の低下が浮き彫りになった形で、夏の参院選に向け党内の動揺が続くことも予想される。
生方氏は23日昼、党倫理委員会を開催し、自身の説明の機会を設けるよう求める要望書を小沢氏あてに提出していた。
民主党は23日昼に役員会と党常任幹事会を国会内で開き、正式決定する段取りだった。両会議は、小沢氏の日程上の都合で夕に延期。ただ後任に固まっていた辻恵衆院議員は、そのまま副幹事長に就任する予定だ。(共同)>
これに先立って<高嶋良充民主党筆頭副幹事長は18日、生方氏を党本部に呼んで副幹事長を辞任するよう求めたが、生方氏は「普通のことをしゃべっているのに辞めろというのは、党内に言論の自由がないということだ。情けない」と反発。
高嶋氏は「議論する場がいっぱいある。なぜそこで言わないのと指摘したが、生方氏は「(処分するなら)正式に倫理委員会にかけてください」と求め、平行線に終わった。
高嶋氏は会談後、生方氏以外の副幹事長を集め、副幹事長会議として交代を求める方針を確認。小沢氏と電話で対応を協議した。小沢氏は「そこまでする必要はないのではないか」と語ったが、高嶋氏が説得したという。
高嶋氏は記者団に「放置しておくと党の求心力や他の議員の意欲がそがれる。解任ではなく、役職の交代だ」と強調した。>杜父魚文庫ブログ19日
この問題をめぐっては新聞各社が翌朝の論説で反対を表明。続いて行なわれた産経新聞・フジTV共同の世論調査で執行部による生方氏の解任方針に7割以上「ノー」。
民主党支持者でも64・6%が「評価しない」と回答する一方小沢氏の幹事長辞任を求める声が前回から4ポイント上昇し74・3%に達した。「政治とカネ」への鳩山政権の対応も85・3%が「評価しない」とした。
こうした世論の批判の高まりを踏まえ、小沢氏は方針を転換。しかし「小沢氏の掌握力の低下が浮き彫りになった形で、夏の参院選に向け党内の動揺が続くことも予想される」と共同通信は指摘する。
もともと高嶋良充民主党筆頭副幹事長から「解任方針」の意見具申があった時点で「これは高嶋ノゴマすり」と即座にそれを封じたならば、小沢氏も少しは「男を上げた」。
しかし、評判が下がってから決定を撤回したのではまさに「朝礼暮改」で更に「男を下げた」。党運営に関する戦略も戦術も鈍ってきている。票は想像を絶するぐらい失った。小沢氏の懊悩の深まっている事を示している。
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