”せんがん峠”を挟んで秋田県側の仙北市(田沢湖町、角館町などが合併してせんぼくし)、岩手県側の雫石(しずくいし)町はともに美人の多いところとして有名だ。
訪れた高名な評論家が「山本富士子が田植えをしている」と表現した。2つの地域は今でこそトンネルであっという間に結ばれるが、昔の峠は熊もうろつく危険地帯。
その昔、男どもは夜這いに命を賭けて峠を往来した。仙北と雫石が美人のDNAを共有するに至った経緯については、おそらく大変な冒険談があったはずだが、男は既遂を言い、女は未遂をバラスと言うものの、今とな
っては聴取不能だ。
八幡平(はちまんたい)に「蒸(ふ)けの湯」と言う小さな温泉がある。ここに行けば子だねが授かると昔から言われて、不妊症の夫婦が湯治に滞在する。
木管から適度の蒸気が噴出しており、この蒸気を当てて、あそこを蒸かすから、不思議や、翌年の春には子供が生まれるといわれている。
ここにアメリカ人の大学教授を案内したところ、それは蒸すからではなくて「スワッピングが成立するからだ」と飛んでもない仮説を披露したので往生した。
石女と書いて、不妊症はすべて女性側にあるとするのは封建思想に基づく誤解。原因は男女半々。湯治の滞在が長くなるに及んでスワップが成立しないとは限らないでは無いか、といわれても反論はできない。
江戸時代、盛岡と秋田を結ぶ峠は「国見(くにみ)峠」「生保内(おぼない)峠」と呼ばれていたが、明治になってこの地を視察した大久保利通により、秋田県仙北(せんぼく)郡と岩手県岩手郡を結ぶことから、双方より字を取り「仙岩峠」と命名された。
1964年、自動車通行を可能にし、国道46号(別名:南八幡平パークライン、旧名、国道105号)として開通したが、秋田県側は急カーブの続く厳しい峠越えの道であり、冬季は積雪により通行止めとなっていた。
このため開通間もない1970年には新道の建設工事が開始され、1976年に国道46号のバイパスである仙岩道路が開通し、自動車通行は本峠を迂回し仙岩トンネル経由となった。
なお、開通後わずか10年余りで放棄されてしまった旧道は閉鎖され、近年になって大規模な崩落(幅員の大部分を消失する路盤欠損)があり現在は廃道となっているが、岩手側の旧道分岐点~国見温泉入口までは、国見温泉に通じる岩手県道266号国見温泉線として整備されている。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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5246 仙岩峠は夜這い峠 渡部亮次郎

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