アフガニスタン戦争、いよいよカンダハル決戦の日が近づいた。五十万都市カンダハルは瓦礫の山、地雷の海と化すか。
ヘルマンド県マルジャを制圧した米軍、NATO軍は、東へ移動する。カンダハルはタリバン発祥の地。イスラム原理主義過激派の聖地でもあり、県庁所在地のカンダハル市は人口五十万の大都会。ここが次の戦場になる。
すでに県の行政はなにも機能しておらず、政府サービスは空っぽ。殆どの住民は武装している。学校の三分の二が閉鎖されている。
大半の道路に地雷が埋められており、住民の昼間の顔と夜は違う。夜は完全にタリバンが支配している。カンダハル市内でも自爆テロが連続し、政府側の住民の誘拐と暗殺は日常茶飯、恐怖の都市に変貌している。
毎日、複数の警官が殺害され、武器が奪われており、パキスタンの国境地帯を繋ぐ幹線道路のみを現在、米軍とアフガニスタン政府軍が抑えている。カンダハル市内は治安最悪の無法地帯。
一方、指導部のナンバーツーをパキスタン軍に逮捕され、複数の指導者が戦闘で死んだタリバンの首脳部だが、指導層壊滅かと思いきや、最近、三十歳代の若者がナンバーツーの地位についた。その男はムラー・アブドラ・クアイム・ザキール(以下「ザキール」と呼ぶ)。
ザキールはグアンタナモ帰り。これは勲章でもあり、タリバンのなかで尊敬を集める。オマル師がじかにザキールを副官に任命した由である。
おそらく数週間以内に米軍は総攻撃を開始する。過去八年間のアフガニスタン戦争で、最大規模、決定的な軍事戦闘の展開がカンダハルで予測されている。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト
5258 数週間以内に米軍は総攻撃を開始する 宮崎正弘

コメント