5289 資質と能力と問題意識の有無と無定見さを問われている鳩山首相 阿比留瑠比

何をいまさら、という気がしないでもありませんが、今週は在京各紙の社説で、一斉に鳩山由紀夫首相の首相として、政治家としての「資質」そのものと「統治能力」が問われています。首相の擬装献金問題や米軍普天間飛行場移設をめぐる迷走、改革に逆行して日本を経済破綻に導くような郵貯拡大…などテーマはいろいろですが、ありていにいえば、「その任に値せず」「◯×じゃなかろうか」と各紙の論説委員たちもようやく思い知ったというところでしょうか。日本も一体何の因果でこんな目に…と私も率直にそう感じています。
各紙の社説から、気になる表現をざっと拾ってみると
産経 「首相の元秘書 『裏金』疑惑の解明を急げ」(3月30日)《首相は贈与税の未申告だったとして約6億円を納付したが、それで自身は「潔白」などというのはおこがましい》
読売 「元秘書公判結審 首相は疑問に答えていない」(3月30日)《自分あての資金の存在自体を「知らない」と堂々と繰り返す姿勢は責任転嫁としか思えない》
東京 「鳩山献金裁判 疑惑の封印を許すな」(3月30日)《もはや政治家としての資質や発言への誠意も疑問視されている。首相としての統治能力さえ問われている状態だ》
毎日 「郵政改革 首相の統治能力を疑う」(3月31日)《一体、これまでの迷走は何だったのだろう。鳩山由紀夫首相の政権統治能力に疑問符がつくことだけは間違いない》《そもそも、鳩山首相にどれほどの問題意識があったかも疑わしい》
日経 「郵貯拡大を追認した首相の責任は重い」(4月1日)《自らの指導力不足で広がった閣内の混乱を「自分のリーダーシップ」で鎮めたと言い張る。そんな鳩山由紀夫首相の言葉が空々しく響く》
東京 「郵政改革法案 無定見では迷走もする」(4月1日)《首相と民主党に定見がなければ、亀井氏にいつまでも引きずられてしまう》《無定見のままでは再び迷走の愚が繰り返されかねない》
朝日 「郵政決着 擦り切れる『首相の資質』」(4月1日)《見当違いのリーダーシップだと言わざるを得ない》《鳩山氏のリーダーシップの迷走は、谷垣禎一自民党総裁が言う通り、もはや「首相としての資質」が疑われるところまで来ているのではないか》《きのうの党首討論で谷垣氏は、いろいろな問題を引き起こし、混乱を生んでいる真の原因は、「首相の言葉」そのものにあるのではないかと述べた。的を射た指摘である》
《「綸言汗の如し」という言葉をご存じないのだろうか》《5月末までに「命がけで」決着させると聞かされても、有権者は鼻白むしかない》《首相の資質への期待が擦り切れかかっている》
…朝日さんが一番手厳しいですね。つまり、まとめると鳩山氏は、「おこがましくも堂々と責任転嫁するので統治能力を問われていて、さらに問題意識がなく空々しい上に無定見で見当違いなので資質も疑われていて、有権者は鼻白んでいる」と、そういうことですね。分かりました。
でもねえ、ここまで新聞に書かれても、ご本人は蛙の面に何とかとばかりにどうやら平気というか、特に気にかけてもいないようです。今朝のぶらさがりインタビューでも以下のように「へへっ」と笑って自信を示していましたし。
記者 普天間基地の移設問題で、総理は昨日、腹案を持っていると述べた。これから沖縄県民の理解を得るための協議が始まると思いますが、総理は何をもって沖縄県民の理解を得たと判断するか。すべての沖縄県民の理解を得るのは難しいと思うが、基準はいったい何か
鳩山氏 ヘヘっ。沖縄はじめ全国の国民の皆さんの理解を求めるということでありまして、それはまさに文字通り、理解を求める。これに尽きる話で、後は、政府にお任せいただきたい。
書いていて自分でバカらしくなってきたのできょうはここまでとします。この半年あまりの出来事が、壮大な「エイプリルフール」だったらいいのですが…。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト

コメント

タイトルとURLをコピーしました