仙谷戦略相が2010年度予算を「どなたが見ても『この国が続くのか』と不安心理を醸し出すのは間違いない」と論評したことをめぐって、政府部内から「野党気分が抜けていない」と酷評する向きが出ている。
一番カチンときたのは菅副総理・財務相であろう。鳩山側近の平野官房長官も面白かろう筈がない。背中から鉄砲を撃たれた感じであろう。
だが国債発行額が過去最大の44兆3030億円と、当初予算としては戦後初めて税収を上回ったことは「戦争末期の軍事費が膨れあがった時くらいしかなかった。本来、あってはならない姿だ」と仙谷戦略相が指摘したのは正しい。
国家財政が危機的状況にあるという認識を鳩山政権は持つべきではないか。その打開策は消費税率のアップしかないのだから、勇気をもって国民の理解を求める時期にきている。それを回避して事業仕分けなどという国民受けをする政策に走るのは、問題を先送りすることになる。
国家財政を破綻から救うためには、一内閣の存亡を賭けるくらいの決意が必要である。仙谷戦略相の発言を「背中から鉄砲を撃たれた」と感じる様では、危機感が欠落していると言われても仕方ない。
<仙谷国家戦略相は1日、CS放送朝日ニュースターの番組収録で、2010年度予算を「どなたが見ても『この国が続くのか』と不安心理を醸し出すのは間違いない」と酷評した。
予算編成の基本方針の企画、立案などを担当する国家戦略相が、自ら所属する政権の編成した予算を批判する姿に、「野党気分が抜けていない」(政府関係者)と戸惑う声が出ている。
戦略相は、10年度予算の国債発行額が過去最大の44兆3030億円と、当初予算としては戦後初めて税収を上回ったことについて、「戦争末期の軍事費が膨れあがった時くらいしかなかった。本来、あってはならない姿だ」と指摘。
そのうえで、「小渕首相の時の金融危機で銀行などを救済したところから、悪い循環が始まった」「『リーマン・ショック』以降の(経済の)疲弊を受け継いだ予算とならざるを得なかった」などと強調、元凶は歴代の自民党政権の財政や金融政策にあると断じた。(読売)
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5290 仙谷戦略相が予算酷評「戦争末期の軍事費」 古沢襄

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