4月11日に投開票の京都府知事選は、民主、自民、公明各党が現職の山田啓二氏を推す形となったので、長崎知事選のような民主、自民対決の図式ではない。しかし京都新聞が独自に世論調査では、京都府民の民主党への期待がしぼみ、無党派化している実態が浮き彫りになっている。
府知事選だけでなく参院選についても調査が行われいるが、投票先に考えている政党は、府民は自民18・1%、民主13・8%だったが、「決めていない」と答えた人は過半数の52・2%に上った。
とくに昨年の総選挙で民主党を支持した府民が、27・4ポイントもの下げ幅で、支持離れをみせているのは、前原国土交通相が懸念していたことを世論調査が裏付けた。小沢幹事長が求めた参院京都地方区で民主党が二人の候補を擁立は冒険だといえる。
<京都府知事選に伴い京都新聞社が3日までの3日間に実施した世論調査によると、夏の参院選で投票先に考えている政党は、自民党が18・1%でトップとなり、政権与党の民主党を4・3ポイント上回った。昨年の衆院選で民主に投票した人は41・2%を占めたが、政権発足から約7カ月で「政治とカネ」や沖縄・普天間基地移設問題などを抱える民主への期待がしぼみ、無党派化している実態が浮き彫りになった。
■民主減速 支持層、進む無党派化
参院選で投票先に考えている政党は、自民18・1%に次いで民主13・8%、共産党6・3%、その他の政党・政治団体6・3%だった。「決めていない」と答えた人は過半数の52・2%に上った。
一方、昨年の衆院選の投票先は民主41・2%、自民22・7%、共産8・2%、社民党0・9%、その他の政党・政治団体4・9%。
参院選で自民への投票を考えている人は衆院選時より4・6ポイント減ったものの、民主はさらに大きい27・4ポイントの下げ幅となった。
参院選京都選挙区(改選数2)で民主は議席独占に向け、初めて2人の公認候補を決定したばかり。2人目の人選をめぐり、府連内では当初、自民に加えて共産が一定の勢力を持つ選挙区事情を踏まえ「共倒れ」を懸念する声が上がっていただけに、調査結果は厳しい戦いになる見通しを裏付けた。今後、民主が公約実現などでどこまで支持を回復できるかが焦点になる。
一方、衆院選で民主に投票した人のうち、参院選でも民主を投票先に選んだ人は3割にとどまった。6割近くが「決めていない」としており、自民がその受け皿とならず「無党派化」が進んでいる状況がうかがえた。みんなの党や、自民党を離党した与謝野馨氏らの新党が参院選で、そうした無党派層の受け皿になるかも注目される。(京都新聞)>
<11日投開票の京都府知事選は終盤戦に入り、3選を目指す無所属現職の山田啓二氏(56)が支持基盤の厚さでリードし、無所属新人の医師門祐輔氏(54)=共産推薦=が追う展開となっている。
山田氏は2期8年の実績を強調し、行財政改革による財源確保を訴える。民主、自民、公明の府組織や連合などの幅広い支援で支持を固めつつあるが、政党推薦を受けていないため国会議員は街頭に立たず、無党派層への広がりはまだ見えてこない。
門氏は医師としての経歴を前面に打ち出して「命の平等」をアピール。医療費や高校授業料の軽減を柱に府政の転換を主張し、共産党支持層の厚い京都市を中心に懸命に追い上げを図っている。
与野党が事実上相乗りする現職と共産党推薦の新人という構図に、有権者の関心は高まっておらず、投票率は過去最低だった前回の38・44%を下回ることも懸念される。(共同)>
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