5342 消えぬ石原都知事の参院選出馬 古沢襄

石原都知事の「たちあがれ日本」に対する肩入れは並ではない。党名も石原氏の発案。政界においては保守本流の政治理念の持ち主として、自民党内にあるリベラル保守とは異なる立場をとってきた。民主党内に多いリベラル左派とは当然のことながら対峙している。
郵政政局で自民党を離党し、無所属となった平沼赳夫元経済産業相とは理念を共有し、安部晋三元首相ら自民党の保守派ともいい。安部内閣の退陣後、保守派の動きは停滞状態にある。だから石原氏の「たちあがれ日本」に対する応援団長としての派手な動きは、保守派再建の狙いがあるとみる向きが多い。
いまのところ石原氏が「たちあがれ日本」から参院選に出馬する気配をみせていないが、急転直下、国政復帰に踏み切る可能性がある。知名度が高く、国民的人気も根強い石原氏が候補者になれば、新党にとっては大量得票が見込めるため、擁立論が再燃する可能性を残している。
<石原慎太郎東京都知事(77)が先月、夏の参院選の比例代表候補として、平沼赳夫元経済産業相らが十日に旗揚げする「たちあがれ日本」からの出馬を一時検討していたことが八日、分かった。複数の国会議員が明らかにした。
石原知事の任期は来年四月まであるが、築地市場(東京都中央区)の移転問題で、中央卸売市場会計予算案に盛り込んだ移転経費が都議会で削除されれば、それを機に知事を辞職する考えだった。最終的に同予算が先月三十日に成立したため、辞職と参院選出馬を見送ったという。
知名度が高く、国民的人気も根強い石原氏が候補者になれば、新党にとっては大量得票が見込めるため、擁立論が再燃する可能性もある。
石原、平沼両氏は保守の政治理念を共有し自民党内で行動を共にしてきた。石原氏は平沼氏らの新党結成表明後、側面支援する考えを強調しており、水面下で自らの出馬を含めて協議していたとみられる。
石原氏は一九六八年、当時の参院選全国区で自民党から出馬し、史上初の三百万票を集めて当選。七二年に衆院に転じ、環境庁長官や運輸相を歴任。九五年、勤続二十五年表彰の演説で議員辞職を突然表明し、九九年の都知事選で当選した。現在三期目。
築地市場の予算案をめぐっては、都議会第一党の民主党が用地取得費を削った修正案提出の構えを見せていたが「議会による再整備の検討結果を知事は尊重する」などの付帯決議をつけることで賛成に回った。(東京新聞)
<東京都の石原慎太郎知事は9日午後の定例記者会見で、夏の参院選への出馬の可能性について、「ありません。あり得ません」と否定した。
石原知事は続けて、「まあ、来年に(参院)選挙やるなら(出馬も)分からない」とし、「今度の(新党を結成したメンバー)だってみんな老人。若い奴は腰抜けじゃないか。僕も戦争の経験あるが、その人間達は『このまま死ねない』という気分になってる」と述べた。また、次期知事選への出馬についても「無理だ。もう年寄りをいじめない方がいいよ」とした。
一方、石原知事が命名した新党「たちあがれ日本」を結成する平沼赳夫元経済産業相も同日午前、石原知事の出馬について、石原知事の任期が来年3月まであることに加え、「市場の問題や銀行の問題とか、いろいろあるから」と述べ、築地市場移転や新銀行東京への対応を抱えていることを理由に出馬の可能性を否定した。
石原知事はこれまで政治信条が近い平沼氏らの新党結成に協力、結成後も支援する考えを示している。(産経)>
<10日に結党が予定される新党「たちあがれ日本」の応援団を名乗り、今夏の参院選をにらみ動向が注目されていた石原知事は9日、定例記者会見で出馬を明確に否定した。都庁内部や都議会では「知事を辞して、国政に参戦するのでは」との憶測もあっただけに都政関係者の間には、ひとまず安堵(あんど)の空気が広がった。
石原知事は、平沼赳夫・元経済産業相や与謝野馨・元財務相らが結党する新党との連携などについて、この日は「10日の結党記者会見で詳しく話します」と多くを語らなかった。
だが、来年4月までの3期目の任期を残して参院選出馬する可能性を尋ねる質問には、首を横に振りながら「ありません。ありえません」と即座に否定。
最近は、報道陣をけむに巻くような発言を重ねていた4選出馬についても、「無理だね。年寄りをいじめない方がいいよ」と、この日は明快に否定した。
知事が「応援団長」「チアガール」などという表現で、新党支援を明言して以降、都庁や都議会では、参院選に出馬し、知事選とのダブル選挙もあるのではなどと憶測が飛び交っていた。
この日は途中辞任をきっぱり否定したものの、「かつて衆院議員を突然辞任したように、知事の心の動きは読めない」と、いまだに疑心暗鬼を呼んでいる。
都幹部の一人は会見での知事発言について、「残り1年しっかりやるというメッセージを都民に伝えた方がいいと判断したのだろう」と分析した。(読売)>
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コメント

  1. 「たちあがれ日本党」が、腐敗した民主党を国会で追求するのを楽しみにしている。
    1年以内に、少なくとも共産党や社民党よりも支持率が高くならなければこの新党は失敗。

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