鳩山首相の訪米を前にして、政府は名護市キャンプ・シュワブの陸上部にヘリコプター施設をつくり、鹿児島県の徳之島にヘリコプター部隊の大部分を普天間基地から移設する案をもとにして、日米実務者レベルで本格的な協議に入りたいと米側に申し入れていた。
これに対して米政府は徳之島を中心にした案は実現する可能性が具体的に示されていないと判断し、ルース駐日米大使が岡田外相に現段階では協議を進めることはできないと伝えてきた。。米政府部内には陸上部隊との一体運用が必要として、沖縄本島から約200キロ離れた徳之島への移設案には慎重な意見が根強い。
加えて徳之島への米ヘリコプター部隊の移設には地元自治体が一致して反対している。
鳩山首相は2日の関係閣僚会議で「徳之島を全力で追求したい」と述べたが、早々にして地元自治体だけでなく、米政府からも日米実務者レベルの協議を進めるわけにはいかない拒絶された。このままでは鳩山首相が期限とする五月末までの決着は困難な情勢となった。
<政府は、名護市キャンプ・シュワブの陸上部にヘリコプター施設をつくり、鹿児島県の徳之島にヘリコプター部隊の大部分を普天間基地から移設する案を最有力としてアメリカ側に伝え、近く実務者レベルで本格的な協議に入りたいと申し入れていました。
しかし、アメリカ政府は徳之島を中心にした案は実現する可能性が具体的に示されていないと判断し、9日午後、ルース大使が岡田大臣を訪ね、協議を進めることはできないと伝えました。
アメリカから協議の入口で事実上、拒否する姿勢を示された形で、徳之島など現状の案では鳩山総理が期限とする5月末までの解決は極めて困難な状況となりました。( JNN NEWS)>
鳩山政権は9日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先について、鹿児島県・徳之島を軸に対米交渉と地元調整に臨む方針を固めた。複数の政府関係者によると、鳩山由紀夫首相が2日の関係閣僚会議で「徳之島を全力で追求したい」と明言。首相の意向を受け、政府は5月末までの決着を目指し、徳之島へのヘリコプター部隊の移設を軸として米国や地元自治体との調整を本格化させる方針だ。
しかしルース駐日米大使は9日夕、岡田克也外相を外務省に訪ね、現段階では実務者協議に入れないと伝達した。米側は工期や地元調整の見通しなどを具体的に示すよう求めている。陸上部隊との一体運用が必要として沖縄本島から約200キロ離れた徳之島への移設案に慎重な意見が根強く、5月の期限までの合意はさらに厳しい情勢だ。
政府関係者によると、関係閣僚会議では首相の意向を踏まえ(1)普天間飛行場に駐留する米海兵隊ヘリ部隊の徳之島空港(天城町)への移転を優先(2)キャンプ・シュワブ沿岸部(沖縄県名護市辺野古)の陸上にヘリコプター離着陸帯を建設(3)将来的には沖縄本島東岸の勝連半島沖埋め立てによる人工島に移設―の方針を確認した。(共同)>
<政府は9日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先について、鹿児島県の徳之島を軸に米国や地元と調整する方針を固めた。鳩山由紀夫首相が2日の関係閣僚会議で「普天間は全力で県外に出したい」と徳之島への移設を指示したことを受けて、普天間のヘリ部隊(約60機)の大部分を徳之島空港の滑走路を利用するなどして徳之島に移転し、一部を米軍キャンプ・シュワブ陸上部(沖縄県名護市)にヘリパッド(ヘリ離着陸帯)を建設して移転する方針だ。
これに伴い、政府が「将来的な案」として検討していた米軍ホワイトビーチ(同県うるま市)沖合に人工島を建設する案については、3月29日にワシントンであった岡田克也外相とゲーツ米国防長官の会談などで米側から「実現可能性がない」と難色が示されたことを受け、断念する公算が大きくなった。
徳之島に対しては8日夕、政府が地元との交渉窓口と想定してきた防衛省の井上源三地方協力局長が、知人の総務省幹部を通じて伊仙町の大久保明町長に「会いたい。島の状況について聞きたい」と打診。大久保氏は申し入れを拒否したが、関係者によると政府はさらに、公安調査庁職員を派遣しているという。
岡田外相も9日夕、外務省でルース駐日米大使と会談。徳之島などへの移転案について、米側が軍事運用上の問題点を検討するのに時間がかかるとの認識で一致したとみられる。日米実務者協議の開始はずれ込む見通しだ。(毎日)>
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5345 米大使、普天間協議進められない 古沢襄

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