5376 舛添氏、橋下・東国原知事との連携に積極姿勢 古沢襄

マスコミの世論調査では桝添要一氏は、総理大臣になってほしい人のトップに立つ。だが自民党内では”一匹オオカミ”で大派閥を率いる人ではない。昔の”青年将校”・中曽根康弘氏にも同じ傾向があった。危ないカネに手を染め、子分を増やして天下を取った田中角栄氏とは違う。
中曽根氏が天下を取ったのは、”闇将軍”の田中氏が裏で支えた「田中曽根内閣」を作ったからである。今の桝添氏には裏で支えてくれる田中氏の様な陰の実力者がいない。
それでも桝添氏は国民的な人気を背にして天下取りを狙っている。一番望ましい形は、自民党の地方組織と自分の人気を背景にして、一勝負を賭けることであろう。谷垣総裁を批判し、執行部の一新を求めているが、谷垣氏は応じる気配がない。あるとすれば次の総裁選挙に打ってでて、総裁選で勝つことしかない。
それでは遅すぎると桝添氏は思っているのだろう。いきおい自民党を飛び出して、新党を結成し同志を集めて一勝負を賭ける思いにも駆られる。だが、これは言うは易いが、行うにはかなり高いハードルを越えねばならない。
その狭間で桝添氏は行きつ戻りつする毎日なのだろう。その間に平沼新党が出来て、山田宏・東京都杉並区長らによる「首長新党」も生まれようとしている。渡辺喜美氏の「みんなの党」も第三極の党になる勢いをみせている。
有り体にいえば、鳩山邦夫氏が言った「桝添氏と与謝野氏を握手させる」ことが、新党樹立のチャンスだったのかもしれない。しかし、平成の坂本竜馬は構想は語ったが、具体的に動いたわけでない。そこで出てきたのが、橋下徹大阪府知事や東国原英夫宮崎県知事らとの連携した新党構想である。もっとも橋下徹大阪府知事や東国原英夫宮崎県知事らは、すぐに国政に参加するわけでない。地方分権という政策目標で一致する応援団の立場である。新党の人集めは桝添氏がやらねばならぬ。
これとは別に新しい政治状況が生まれつつある。普天間移設で鳩山政権は窮地に立っている。場合によっては六月にも鳩山首相が退陣して、菅首相に衣替して参院選に臨んでくるかもしれない。民主党が単独で過半数を取れないまでも連立与党で過半数を維持し、場合によっては公明党も与党と政策協定を結ぶ可能性がある。
政権は安定度を増して、雨後の筍のように輩出した新党は力を失うかもしれない。自民党にとっても新党にとっても、「カネと政治」で無党派層から批判を受けた鳩山・小沢体制が継続してくれた方が戦い易い。この意味で鳩山首相が九月に訪ロして北方領土問題の解決に意欲をみせたのは”朗報”と映る。
こう考えると桝添氏にとっては、最後のチャンスになる新党樹立になる。それに失敗すれば、目標を政権獲得からポスト石原の東京都知事選に出馬する戦術転換を迫られる。15日の桝添・東国原会談をきっかけにして五月の大型連休までの間が、桝添氏の去就を決める大きなヤマ場になった。
<自民党の舛添要一・前厚生労働相が、橋下徹大阪府知事や東国原英夫宮崎県知事らとの連携に積極的な姿勢を見せている。
新党結成や政界再編を視野に入れた人脈づくり、支持基盤拡大の一環とみられるが、自民党内に摩擦を生み、自らの孤立化も招いている。
舛添氏は14日夜、静岡市で講演し、「地方を変えることが国の形を変えることになる」と訴えた。これに先立ち、国会内で記者団に、「政治家は政策提言が仕事だ。橋下、東国原氏とは政策で連携する」と語った。
舛添氏は15日、東国原氏と東京都内で会談する。東国原氏は14日、舛添氏について、「国のトップに立つ資質を備えた方だ。髪の毛(が薄い)という共通の話題、悩みもある」と親密さをアピールした。
舛添氏は最近、インターネット上で、大阪府が税率や規制を自由に決定できる「大阪独立国構想」を発表した。発表前には、橋下氏と意見交換を重ねた。
橋下氏は14日、大阪府庁で記者団に、「大阪全体を特区にすることには大賛成だ。実現できる流れになるなら、のっかっていく」と語り、舛添氏との連携に前向きな姿勢を示した。
ただ、舛添氏は自民党を批判すると同時に、「あらゆる可能性はすべてオープン」と繰り返すばかりで、最終的な目標をどこに置いているかは定かではない。自民党内では、「総裁になる形で執行部一新が実現しなければ、新党を結成する構えだろう。大阪構想は、人気のある橋下氏を抱え込む『誘い水』だ」という見方が出ている。
舛添氏は2月、菅義偉・元総務相らと勉強会「経済戦略研究会」を発足させたが、派閥には属しておらず、党内基盤の弱さが指摘されている。党の批判を繰り返す間に距離を置く議員も増えており、ある中堅議員は「1人で跳びはねて、離党する雰囲気が強まっている。ついていく議員はほとんどいないだろう」と語った。
橋下氏も14日、舛添氏と新党を結成する可能性については、「国政に対し、僕がどうこうするということではない」と述べ、慎重姿勢を示した。東国原氏も14日、兵庫県西宮市で記者団に、参院選への自らの出馬について、「今年は(知事としての)任期を全うすることを県民の方々と約束している。出馬はないと明言できる」と語った。(読売)>
   
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