5387 麻薬死刑とAIDS撲滅キャンペーン 宮崎正弘

日本人麻薬密輸犯の四人を中国は処刑したが、裏にはAIDS撲滅キャンペーンが絡んでいる。日本人だからといえども、麻薬犯罪に手を染めれば特例なく死刑とする。だから中国は法治国家?
日本のマスコミ報道は死刑をめぐる情緒的な論議に流れた。日本のように滅多に死刑が執行されず、鳩山(弟)が法務大臣時代に何人か死刑執行を命じたら、朝日新聞は鳩山を「死に神」と書いた。こと犯罪の処罰に関する限りは、日本のほうが法治国家ではない。「?」。
日本の議論では、大事なポイントがいくつか欠落している。
第一に中国のAIDS感染者は、中国政府発表で「60万人」。実態は1000万人前後。国連WHO推計でも700万。中国のAIDS患者は同性愛が原因というより麻薬である。
注射針を回すため、AIDS患者は急激に増えた。従って日本人の死刑のアナウンス効果は、このAIDS撲滅キャンペーンと繋がっていること。
第二に死刑は年間5000人から7000人。銃殺後、弾の代金を遺族に請求し、遺体はすぐさま病院に運んで臓器を摘出する。
臓器手術をまつ金持ち、外国人に売るのだ。ところが今回は薬物注射により死刑執行なので、臓器摘出は無理だったろう。
昨年の「公式統計」で中国の死刑は1700人(もし、この数字が本当だとすれば、随分と減ったなぁという印象を持った)。
第三に公開処刑が行われなくなったこと。つい十年ほど前まで、中国では死刑は公開銃殺。競技場や運動場にあつめ、数万が見守る中で銃殺が行われた。娯楽のない時代、中国人のエンターティンメントだとまで揶揄された。
最近、その残虐性、残酷な中国というイメージを消すため、公開処刑が行われなくなった。政治的意図が作用している。
魯迅の作品に秋謹が惨殺刑にされたとき、庶民は茶碗をもって処刑場に集まった。血を奪い合い、それを呑むと健康に良いとされたからだ。
日本の議論はいつものように情緒的で、感情論に流れているのが気になった。
    
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