5414 鳩山政権“末期症状”…5月退陣説も 古沢襄

先送りが専売特許だった鳩山首相だが、いよいよ腹を固めて、普天間飛行場の米ヘリ部隊の鹿児島県・徳之島への移設を中心とする政府案を固め、連立を組む社民党と国民新党の了解を得たうえで、週内にも正式に発表の構え。 四面楚歌の中で中央突破の姿勢をみせる。
「沖縄のみなさんが大変過重な負担の中で苦しまれてきた。それを国民全員で分かち合う気持ちを示していただきたい」と記者団に述べ、県外移設への理解を求めた。鳩山首相は自らの手で事態を打開するため、近く徳之島に乗り込む考えだ。4月下旬から5月上旬の大型連休を利用した外国訪問も見送り、普天間問題の決着に専念する意向だという。
もっとも閣僚の中には、徳之島の住民の強い反対や25日に沖縄県で開かれる県内移設反対の県民集会を見極めるべきだとの声も根強く、政府案の決定、提示が来週以降にずれ込む可能性もある。鳩山首相自らが徳之島に乗り込むことについても、平野官房長官は「時期尚早」と難色を示している。
<米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、鳩山由紀夫首相は20日、首相官邸で岡田克也外相ら関係閣僚による会議を開き、政府案決定に向けた最終調整に入る。同飛行場のヘリ部隊の鹿児島県・徳之島への移設を中心とする政府案を固め、連立を組む社民党と国民新党の了解を得たうえで、週内にも正式に発表したい考えだ。
閣僚会議には首相、岡田氏のほか平野博文官房長官、北沢俊美防衛相、前原誠司・沖縄北方担当相も出席する。
会議では、普天間のヘリ部隊の大半を徳之島へ移設することやキャンプ・シュワブ(沖縄県名護市など)の陸上部にヘリポートを建設する案を中心に政府案を最終的に固める一方、週内をめどに地元の鹿児島県や徳之島の3町長、沖縄県への正式な提示への手続きを確認するとみられる。
ただ、閣僚の中には、徳之島の住民の強い反対や25日に沖縄県で開かれる県内移設反対の県民集会を見極めるべきだとの声も根強く、政府案の決定、提示が来週以降にずれ込む可能性もある。
一方、民主党鹿児島県連(代表・川内博史衆院議員)は19日、徳之島案の白紙撤回を鳩山由紀夫首相に要請した。川内氏は要請後、記者団に、徳之島で主催者発表で約1万5千人が集まった18日の反対集会を踏まえて「ベースとなる情報が開示されていない。白紙に戻して議論を整理すべきだ」と語った。
首相は要請を受け記者団に「正式な案が決まっているわけではない。白紙撤回もなにも、まだそういう状況にはないと(川内氏に)申し上げた」と説明。その一方で、「徳之島の皆さんには正式にまだ申し上げている状況ではない中で、不安ばかり募らせてしまったということに関してはおわびを申し上げなければいけないと思っている。沖縄のみなさんが大変過重な負担の中で苦しまれてきた。それを国民全員で分かち合う気持ちを示していただきたい」と述べ、県外移設への理解を求めた。
ただ、徳之島側の反発は強まる一方だ。大久保明・伊仙町長は19日、朝日新聞の取材に「強行してくるなら、島民の断固反対の意思はますます強くなる。米国と地元を説得することはほぼ不可能だ。もはや政府が打診してきても意味がない」と強調した。
大久幸助・天城町長も同日、「鳩山首相が『会いたい』と言ってきても会うわけにはいかない。会ったら1万5千人の民意をけなすことになる」と述べた。鳩山政権から正式な打診がないまま島民の不信感が強まっている現状について、「島民に火を付けてから、(徳之島)3町長に『火を打ち消せ』と言われても遅い。首相であろうと誰であろうと、もう火は消せない」と指摘した。 (朝日)>
<歴代政権の末期にみられた典型的な症状が、鳩山政権にも表れ始めた。首相周辺は19日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設先を週内に決定すると明言したものの、重要政策をめぐる政権の迷走はまだ続きそうだ。内閣支持率は低迷し、閣僚からは衆院解散権に踏み込む越権発言も飛び出すなど閣内の動揺は収まらない。発足当初の勢いは消え失速した鳩山政権。起死回生策が見当たらない中、5月退陣説も取りざたされ始めている。
政権失速の最大要因である米軍普天間飛行場移設問題で、ついに足下からも「反乱」の声があがった。
「(反対集会に集まった)1万5千人の民意を重く受け止める必要がある。正式な情報提供がない中で徳之島案なるものが報道され、大変遺憾だ」
民主党鹿児島県連代表の川内博史衆院議員は19日、徳之島の半数を超える住民が集まった18日の移設反対集会を受けて首相と面会し、計画の「白紙撤回」を迫った。首相は「承った」とだけ答えた。
首相は自らの手で事態を打開するため、近く徳之島に乗り込む考えだ。4月下旬から5月上旬の大型連休を利用した外国訪問も見送り、普天間問題の決着に専念する意向だという。
だが、平野博文官房長官は首相の徳之島訪問を「時期尚早」として難色を示しており、首相とその女房役の意思統一すらままならない状況だ。首相周辺によると、政府は21日に基本政策閣僚委員会を開き、移設先を決める予定だというが、それが最終的な日米両政府間の合意となるかは不透明だ。
重要政策の迷走が政権の命取りになった例は多い。安倍政権末期には、テロ対策特措法の延長問題で窮地に陥った。その後を継いだ福田政権も、衆参ねじれ国会の下、ガソリン税の暫定税率問題などで野党に振り回された。
そして今、短命に終わった安倍、福田両政権にもあてはまったある法則が永田町で注目されている。「内閣支持率+政党支持率」が50%を切ると政権は退陣に追い込まれる-。自民党の青木幹雄前参院議員会長が唱えた説だ。
18日放送のフジテレビ番組「新報道2001」の世論調査で鳩山政権の現状を検証すると、内閣支持率は28・6%で、今夏の参院選の投票先として民主党と答えたのが17・4%。その和は46・0%となり、青木説によれば「退陣は不可避」ということになる。
不透明感を増す政権の行方。閣僚たちの発言も、政権末期特有のきな臭さを帯びてきた。
仙谷由人国家戦略担当相は16日、参院選前に首相が退陣に追い込まれれば、「論理的には衆参ダブル選挙の可能性がある」と発言。これには、平野氏が19日、「全く論外だ。(衆院解散・総選挙という)首相自身が決める言葉を他の閣僚が言うべきではない」と不快感を表明した。
「政権の先が見えてくると、閣僚も自分自身のことを考え、スタンドプレーに走りがちだ」と自民党のベテラン議員は指摘する。
首相は周辺に「決して投げ出さない」と強気な姿勢を示しているという。ただ、普天間問題の混乱について、首相は「メディアがいろいろいろ動きすぎている」と責任転嫁した。歴代の短命政権と同じ過ちを鳩山首相も犯し始めている。(産経)>
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