米紙ワシントン・ポストは岡田外相がルース駐日米大使に対して、米軍普天間飛行場の移転問題で、日米合意の辺野古移設案に一部変更を加えたうえで受け入れる考えを示したと報じた。
これに対して鳩山首相は「辺野古の海が埋め立てられるのは自然に対する冒涜(ぼうとく)だ」と激しく反発した。ここにきて首相と外相の見解が真っ向から対立したかに見えて、米側を含めてさらに混迷の度を深めている。
首相の腹案といわれた鹿児島県・徳之島移設案は地元と米側の反対で実現が不可能となった。代わって鳩山氏周辺で浮上しているのは、山口県・岩国基地への移設案だという。
しかし岩国基地移設は、在日米軍再編の一環である厚木基地からの空母艦載機部隊の移転でも、反対の声があがり、そのうえに普天間からの移設が加わると急速に反対運動が高まる懸念がある。
【ワシントン=伊藤宏】24日付の米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移転問題で、岡田克也外相が、現行の辺野古移設案に一部変更を加えたうえで受け入れる考えがあると米側に伝えた、と報じた。滑走路の設計を一部変更し、海兵隊の一部を移すことが柱という。
同紙によると、岡田氏が23日、ルース駐日米大使と会談し、概要を伝えた。岡田氏は「日本政府は、2006年の日米合意の主要部分を受け入れる方向で動いている」と述べた。具体的な変更点として、滑走路の位置などを変更し、海兵隊部隊を沖縄から100マイル(160キロ)離れた場所に移すことなどを挙げたという。
同紙によると、米当局者はこの提案を歓迎する考えを表明。しかし、「まだ第一歩であり、来週にも日本政府側から詳細の説明を受けることになっている」と語ったとしている。 (朝日)
<鳩山由紀夫首相は24日午後、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題に関し、岡田克也外相が23日のルース駐日米大使との会談で現行案(沖縄県名護市辺野古沿岸部への移設)を大筋で受け入れると伝えたとの24日付米紙ワシントン・ポスト(電子版)の報道について「事実ではない。辺野古の海が埋め立てられるのは自然に対する冒涜(ぼうとく)だ。現行案が受け入れられるなどというような話はあってはならない」と否定した。
ただ、岡田氏とルース大使の会談があったという事実は認めた。視察先の群馬県大泉町で記者団に答えた。(産経)>
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5446 腹案は徳之島から岩国へ? 古沢襄

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