「辺野古の海が埋め立てられることは自然に対する冒とくだ。あそこに立った人は皆、あの海が埋め立てられたらたまったもんじゃないと感じたと思う」と鳩山首相はキャンプ・シュワブ沿岸部移設を否定した。25日午後三時から開かれる沖縄県民の反対集会を意識した発言であろう。
それなのに政府部内では、現行案の建設方法を大きく変更し、海を埋め立てずに環境への負荷の小さい杭(くい)打ち桟橋方式とする案の検討が進んでいる。知らぬは鳩山官邸だけということにならねば良いが。
あるいは朝令暮改方式で、この案なら「自然に対する冒とくにならない」と言い繕うことになるのだろうか。
<米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で、政府がキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)を埋め立てる現行計画の工法を、くい打ち桟橋(QIP)方式を軸として変更するとともに、沖合への移動を検討していることが分かった。
複数の日本政府関係者が24日、明らかにした。QIP方式は、北沢俊美防衛相が全面的に埋め立てる現行計画より地元の理解を得やすいと判断し、鳩山由紀夫首相に提案した。首相も選択肢としての検討を排除しなかったという。
ただ首相は21日の党首討論で県外移設を進めていく考えを明言。稲嶺進名護市長は「新たな基地を造らせない」と繰り返しており、政府がQIP方式での決着を目指せば、地元の反発は必至だ。
岡田克也外相も23日にルース駐日米大使と会談し、現行計画修正を検討していると伝えた。
政府は鹿児島県・徳之島へのヘリコプター部隊の移設案を検討してきたが、地元3町長は政府側との面会を拒み、政府案として決定できる情勢ではない。政府内では徳之島についてヘリ部隊の一部訓練移転を軸に再調整する案も出ている。(共同)>
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5449 杭打ち方式なら自然に対する冒とくにならない? 古沢襄

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