カンダハル決戦を前に米軍は現地でなにをしているのか?タリバン支持派を分割説得、テロの指導者を密かに排除作戦。
マルジャ征討作戦から二ヶ月を経た。次は最大の難関カンダハルである。カンダハルはアレキサンダー大王が最初に築いた砂漠のオアシス。アフガニスタンで例外的な大都会であり、タリバンの聖地だ。
米軍は静かに近郊の村々から入り、有力者の説得、タリバンからの離脱を勧告する一方でテロ指導者の物理的排除(暗殺を含む)を実施しているが、劇的な変化は見られない。相当数のタリバン指導者を排除したともいう。市内はアフガニスタン軍が警備にあたっている。
しかし作戦が円滑に行かないのは現地部族の米軍への不信とアフガニスタン政府への不信である。そもそもカンダハルは行政が機能しておらず、住民は昼は政府支持、夜はタリバン支持に変わる。
最大の理由は「カンダハルを治めるカルザイ大統領の弟ワリ・カルザイが、麻薬ビジネスの黒幕でもあり、現地の評判が悪いからだ。アジズラ・ヤルマル(カンダハル副市長)もタリバンによって暗殺された(26日)が、住民に動揺を与えないよう情報は秘密にされている」(ヘラルドトリビューン、4月27日付け)。
しかし本格攻勢を前に少しでもタリバンの戦力を弱めようと米軍特殊部隊が目立たないほど小班にわけて現地へ浸透している。カンダハル市内では米軍の目立った存在は確認されていない。
過去数週間の動きは戦場の拡大を回避する作戦をとっているという。カンダハルにおける戦闘は近い。
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