数々の窮地を潜り抜けてきた小澤一郎。首相になっている鳩山由紀夫の事は、早くから見くびっていたが、首相をやらしてわずか40日にして、もう見限った。ダッチロールしたからだ。
鳩山は常軌を逸している。閣議でメシを食った。国会開会を4日後に控えた09年10月22日、総理官邸で午前11時43分から臨時閣議を開いた。なるほど、メシ時といえばメシどきだが、鳩山は、この席にサンドイッチを出した。
日本憲政史上、閣僚たちが食事をしながら閣議を行なったという例はない。これを聞いた幹事長小沢一郎は沈黙。呆れてモノが言えなかったのである。
外交交渉では「ワーキング・ランチ」というのがある。だがこれは食事を共にしながら、仕事の話をしてもいいよ程度のことであり、交渉時間の節約策に過ぎない。
閣議こそは、政府最高の議決機関であり、最も厳粛な行事である。時間が足りなければ、暫時、空腹に耐えるべきもの。何をどう勘違いしたのか、鳩山は食事をしながら閣議を主宰した。
鳩山から「報告」を直接受けた小澤は絶句したまま、鳩山の沖縄米軍基地を巡る苦境にも全く発言しない。政府はあんた、私は党を決め込むばかり。「お手並み拝見」の姿勢を崩さなかった。既に鳩山を見限っていたのだ。
尤も、ここで口を開けば、懸案解決に小澤も責任を負うような不利を蒙りかねない、と警戒していた。その事はつまりは小澤が既に鳩山を見くびって見限った事を示している。
鳩山が何時倒れるかは誰もわからないが、小澤は「下手すれば年内」と見ていた。よくここまで我慢したものだと、自身、思っていることだろう。同時に「鳩山の後任は菅直人」と決めているらしい。
<民主党の小沢一郎幹事長は2010年4月27日26日の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題が5月末に決着しなかった場合の鳩山由紀夫首相の進退について問われ、「そのような質問に答える立場にない。どのような結果になろうとも国会運営をスムーズにし、参院選で勝利する役割を全力でこなしていくのが私の役目だ」と述べた。
普天間問題で窮地に陥る鳩山首相を突き放したような発言は、政界でうわさされる鳩山首相の5月退陣説とも関連するだけに、憶測を呼びそうだ。
小沢氏はまた、「普天間という日米外交案件の問題に私は一切関与していない。説明も相談も受けていないし、私の役目柄ではない」とも語った。
普天間問題では、政府が検討を進める「浅瀬案」で決着しても与党内の混乱が予想される半面、5月決着がずれ込めば鳩山首相の責任問題が浮上する。
いずれにしても普天間問題は鳩山政権の急所であることは間違いなく、小沢氏がこの問題と距離を置いたことについて、民主党内では「(小沢氏は)首相を見放すのか」(中堅)と発言の真意をいぶかしむ声が出ている。
一方、小沢氏は自らが高速道路の新たな上限料金制の見直しを唱えたことに対し、前原誠司国土交通相が猛反発したことについて「前原君がどういうことを言ったか、どう行動したか私は別に全く何の関心もない。興味もない。最終的には内閣総理大臣が決定することだ」と述べた。
小沢氏は「私が全国を一番回っていると思うが、どこへ行っても『(高速)無料で選挙を勝ったのに、実質値上げというバカなことがあるか』との声が充満している。政府以上に日ごろ国民に接しているからそういう声が非常に多いと要望を申し上げた」と強調した。(産経)>
普天間も高速道路も内閣が決めること。それができないなら「仕方ないな、どうするんか、俺は知らん、権力を持っているのは鳩山とか言う人なんだろう、自分で対処しろよ」が小沢の本音である。(敬称略)
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