5530 ”風前の灯"だが小鳩体制で参院選へ 古沢襄

新聞やテレビを見ているかぎり鳩山政権はもはや”風前の灯”、六月早々には鳩山首相が退陣するしかない様に思える。普天間移設という虎の尾を不用意に踏んでしまった鳩山氏は進むことも退くことも出来ない八方塞がりで立ち往生している。真の実力者・小沢幹事長は動こうともしない。
大方の目に映るのは、こういう情景なのだろう。
だが政治の世界は目に見えるところだけで動いていない。水面下で何かが激しく動いている。各社のベテラン政治記者たちは、毎日のように夜討ち朝駆けで、その何かを掴もうとしている。首相官邸で若手記者たちが、鳩山首相のぶら下がり会見で、鳩山氏を問い詰める風景が目立つようになったが、喋り過ぎる首相は、実は何も語っていない。
その”何か”のひとつは、前原誠司・国土交通相、枝野幸男・行政刷新相ら「反小沢グループ」が公然と小沢幹事長の退陣論を口にしだしたことだ。小沢支持グループからみれば、”反小沢クーデター”を一気に起こす動きにみえる。しかし衆院で一五〇人の大勢力を持つ小沢支持グループからすれば、少数派の反乱もどきでしかない。
小沢幹事長は7日、宮崎市で記者会見し、検察審査会から「起訴相当」議決を受けたことをめぐり、幹事長を辞任する考えはないとあらためて強調した。「辞めるつもりはないのか」との質問に「ありません」とすげなく答えた。
民主党の支持率の低下については「そんなに悪い結果だと思っていない」・・・自民党の支持率が低迷しているので、一人区や二人区以上でも競り合って勝てる自信を覗かせた。もっとも支持率低下は「リーダーシップのこともあるとは思う」と指摘した。米軍普天間飛行場移設問題で迷走する鳩山由紀夫首相の指導力不足が念頭にあったのだろう。
だが反小沢グループは小沢氏の幹事長辞任を求めて「後任の幹事長に小沢の傀儡を据えたのでは党を改革できない。仙谷由人・国家戦略相を幹事長に回し、普天間の混乱を招いた平野博文・官房長官を交代させるなど大幅な内閣改造が必要」と唱えている。それをしなくては、参院選で勝てないとみている。小沢氏や平野氏の交代を口にするが、鳩山退陣には触れない。
しかし幹事長人事は鳩山首相の専権事項。鳩山氏はすでに小沢幹事長の続投を表明した。側近中の側近である平野官房長官を更迭する意向もみせていない。ポスト鳩山の一番手と目されている菅副総理・財務相も黙して語らない日々が続いている。
結局は鳩山・小沢の”小鳩体制”で参院選に臨む公算が強いのではないか。自民党や新党にとってチャンス到来の筈だが、その力があるのか未知数である。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト

コメント

タイトルとURLをコピーしました