英国総選挙、労働党は惨敗したが、保守圧勝ともならず。キャメロン保守党の連立の形は次に日本の政界再編のモデルとなるのか。
英国総選挙は予想どおりの結果?
保守党 306
労働党 258
自民党 57
そのほか 28
未定 1(5月27日に投票)
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総議席 650(過半数326)
さて過半数をこえる政党がないというハング・パーラメント状態(宙ぶらりん議会)となって、事前予測の保守党圧勝、単独過半数はなかった。しかも、躍進が予測された自由民主党は、なんと前回より議席を減らした(62から57へ)。
第一に労働党の惨敗は予測されていたが、意外に“健闘”した。日本で言えば七月参議院選挙で民主党が意外にしぶとく各地で善戦するようなものだろう。
第二に保守党がせっかくの上げ潮ムードを生かし切れず、単独過半数を得られなかったのは、キャメロン党首のキャンペーンの遣り方に欠陥があったのか、第三極の結果的妨害か。これも日本にあてはめれば、次回参議院選挙で、自民党の単独回復が望めない状況に酷似している。
第三は期待された「保守新党」などが伸びず、結局のところ、小選挙区制のひずみから、二大政党に収斂されてしまうという投票動向は変わらないということである。
▲英国議会の叡智は、どのような連立を出現させるだろうか?
さて次なる関心事は「連立」の組み方である。順当にいえば、第一党の保守党が(第三党の)自民党と組む。ところが、選挙結果をみると、そういう予測を覆えす要素も沢山ある。
第一に保守党が自民党と組むと363で、比較的優位。
第二は保守党が少数党、無所属を束ねても連立政権は成立する。だが安定政権という意味からは距離ができる。
第三は保守と労働党の「大連立」というシナリオ
第四は、むしろ労働党が逆転を狙って、自民党と組み(315)、これに少数を足して、かなり不安定だが、連立を成立させるという奇想天外なシナリオも残る。
いずれにしても、日本の政界再編のモデルにはならないにせよ、大いに参考となる選挙結果だった。
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5535 労働党は惨敗したが、保守圧勝ともならず 宮崎正弘

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