あまりにもお粗末な現政権を、一体どうすれば、論評できるのだろうか。「こら!あほー!ええかげんにせえ!」としか論評できないのだ。これが、本通信で、私があまり今進行中の政界について書いてこなかった理由だ。
第一、あの顔、あの面、を思い出すのが嫌だ。多くの日本人も、体に悪いと思っているのではないか。実に、嫌だ。
そこで、自問す。この顔を生み出したのは誰だ。それは、戦後の日本だ。戦後に生きる我々日本人だ。よって、我々は、彼らの顔、彼らの面に戦後の我々自身を見ていることになる。
本日の、産経朝刊に櫻井よしこさんが、次のように書き始めている。「鳩山由紀夫氏の存在は、戦後日本の家庭教育および国民教育の失敗の代表例として、歴史に刻まれるだろう。」と。
まことに、その通りだろう。普天間基地移転問題に関する迷走は、「基地の移転を見越して土地を買っていた幹事長という後見人がいるので、彼に損をさせないために迷いはじめた」と説明したほうが、好感がもてる。
少なくとも、世界の常識に近い。この説明は、中国共産党幹部や、北朝鮮の独裁者、そして難民キャンプをダシにして各国の援助を引き出して私腹を肥やし世界富豪ランキング10位以内にいつも名を連ねていた指導者からみれば、可愛いほうだと評価される。
それを、何か。鳩山は。「学べば、学ぶほど、アメリカ海兵隊の抑止力が分かりました」だとー!つまり、今まで分かってなかった、ということではないか。
一国の指導者にして、これほど、世界の常識に反する発言があろうか!彼には、朝鮮半島の情勢、中国共産党の海洋進出、が見れども見えず、アメリカが、フィリピンのスービック基地から撤退したあとの南シナ海がどうなったかのかも見えていない。
しかも現在。四月に中国の海軍機が、東シナ海で我が海自艦艇に異常接近し、五月には我が国の排他的経済水域内の海上保安庁の調査船が、中国海軍艦艇から「出ていけ」という信号を受けて追尾された。
しかし、鳩山氏は、反応せず何らの措置もとっていない。何故か。それは、鳩山という人には、この事態が生まれてきている東シナ海が「友愛の海」に見えるからだろう。
つまり、彼は、頭が完全におかしい。鳩山氏個人にとっては、直ちに病院に行くべき事態である。そして国家にとっては、総理大臣がこの状態にあるということは、即、大惨害を呼び込む事態である。
この事態の下で、沖縄では左翼主導の反基地集会が中国共産党の工作により盛り上がりを見せて、子どもまで動員している。そして、北京オリンピック開会式に出演してた子どもとそっくりな仕草と口ぶりでしゃべる。
さらに、このおかしい総理のおかげでにわかに脚光を浴びた徳之島の三町長が「○○トリオ」のように基地反対。頭がおかしい総理大臣と、それに呼応する沖縄の反基地闘争と東シナ海の中国海軍の横暴と傍若無人。
今我が国は、まさに危機にある。では、この危機が紙一重で発火しないのはどうしてか。
この四月、イスラエルの二カ所で経験したことを書く。
十七日、ゴラン高原において、国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)として業務に就く我が国の自衛官達に会った。そして、既に報告したが、彼ら自衛隊員こそ、我が国のプレゼンスを維持していた。つまり、我が国には、政治情勢に関わりなく国家を守るための陸海空の自衛隊が存在する。
次に、二十日のイスラエル独立六十二周年記念日における大統領官邸。ここで、アメリカ空軍の大佐に会った。彼は言った。「息子は、アメリカ海兵隊員で沖縄にいる。ガム移転準備をしていたが、日本政府の方針が決まらないので業務が混乱しているらしい。」
そして、我々は、ワインを手にしてうち解けて話し始めた。話題は、日本の核武装のこと、日米同盟の将来のあり方、我が国は集団的自衛権を行使する方針に転換すべきこと、などである。
彼は、日本の核武装は必要ないというので、我が国の安全のために如何に必要であるか、君が日本人ならどう判断するのかと、中国共産党、北朝鮮、露西亜の核保有を引き合いに出して説得した。そして私は、日本とアメリカは、力を合わせてアジアと世界の安定に貢献する体制にならねばならない、と言った。
すると彼は、背筋を伸ばして言ったのだ。「私の息子は、いざとなれば、日本を守るために血を流すつもりで沖縄にいる。アメリカ海兵隊は日本を守るために戦う」そして、我々は別れたが、遙かイスラエルで、日本防衛におけるアメリカ軍のプレゼンスを強く感じたのである。
以上、この四月、イスラエルで出会った二つの組織、つまり、我が国の自衛隊と、アメリカ軍が、今ある危機が現実化して発火するのを抑止しているのである。
そして、この抑止力を受けているのが中国と北朝鮮である。従って、彼らはこの抑止力を弱体化させるために沖縄の反基地闘争を煽っている。
韓国海防艦を密かに魚雷で沈めた北朝鮮の金正日は、先日、直ちに北京を訪問している。つまり、中国は北朝鮮の行為を容認しているのである。
このような、北朝鮮のテロが我が国に向かうか、中国軍艦の東シナ海での我が国への横暴がエスカレートするか、これらは全て、日米の抑止力が機能するか否か、弱体化するか否か、に懸かっている。
この現状を踏まえた上で、今まさに、国家の舵を切る方向こそ、自主国防体制の強化である。そしてこの為に、今必要な動きこそ、新しい保守の結集なのだ。参議院選挙目当ての子ども手当は不要だ。その財源を国防費に投入するべきである。
今この転換を始めなければ、戦後日本の唯一の自慢、日本経済の巨大な力さえも一挙に失うであろう。
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