5611 口蹄疫で危機管理の感覚さえない政権 宮崎正弘

危機管理の感覚さえない鳩山政権が右往左往している間に「先手」を取られた。口蹄疫はこれで中国からやってきたことの逆証明になったかも。
宮崎県の畜産農家を襲った口蹄疫災禍。十年前は300頭程度の損害ですぐに食い止めた。それまで九十二年間、日本には口蹄疫被害がなかった。それでもリスク管理のセンスがあり、当時の江藤隆美(青嵐会所属)農水相陣頭指揮のもと、短時日で沈静化させた。
今度は初動の対応が遅れ、あまつさえ農水相は海外へ遊びに行っており、自衛隊の出動要請もなく、まったく危機管理のセンスさえなかった。結果は二十万頭もの被害!
伝染病の原因は中国か韓国からであろう、と言われた。両国では口蹄疫被害が甚大であり、つねに起きているからだ。
ところが中国が先手を打った。これを「促喊促賊」(泥棒が逃げるとき「泥ボー」と追っかけるふりをする)という。多くは書かない。下記の記事は昨日付けの人民日報である。
(参考)「中国、日本からの口蹄疫伝染を厳重に警戒
国家質量監督検験検疫総局(国家質検総局)と農業部は公告を共同で発表、日本で発生した口蹄疫の中国への伝染を防止するための措置を明らかにした。公告の概容は以下の通り。
▽偶蹄類動物および関連製品の日本からの直接的・間接的輸入を禁止する。偶蹄類動物および関連製品の「中華人民共和国入境(輸入)動植物検疫許可証」の発行を停止する。
▽4月7日以降に日本から輸送された偶蹄類動物および関連製品については、例外なく返送もしくは廃棄処分とする。4月7日以前に日本から輸送された偶蹄類動物および関連製品のうち、口蹄疫検査に合格したものについては、入国が許可される。
▽偶蹄類動物および関連製品の日本からの郵送と旅客持ち込みを禁止する。発見した場合は全て、返送もしくは破棄処分とする。
▽中国を経由または停留する国際船舶、飛行機、列車など各輸送機関において、日本からの偶蹄類動物および関連製品が発見された場合は、全て密封・保存処理を行う。これら交通機関の職員が個人使用目的で自ら飼育した偶蹄類動物については、安全なケージに入れなければならない。その排泄物は、出入国検疫機関による監督のもとで無害化処理を行い、勝手に捨てることは許されない。
▽税関部門や国境警備部門が捉えた日本から不法に持ち込まれた偶蹄類動物および製品については、出入国検疫機関の監督のもとで、全て破棄処分とする。(「人民網日本語版」2010年5月20日)
先手必勝! とはよく言ったモノである。日本は中国からの観光客へのヴィザ発給制限を大幅に緩和し、五倍にするという。口蹄疫被害はさらに拡がる恐れがあるが、防疫体制は不十分であり、一時的ヴィザ発給を制限するべきではないのか。
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