5655 社民党は革新政党の初心に戻るべき 古沢襄

<社民党は27日午前、党本部で三役会議と常任幹事会を開き、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題の対応について再協議した。日米両政府が28日に発表する共同声明に、同県名護市辺野古周辺への移設が明記されることを踏まえ、福島瑞穂党首(消費者・少子化担当相)が閣議で政府対処方針への署名を求められても拒否することを決めた。
福島氏は常任幹事会で、「日米共同声明に辺野古あるいは県内(への移設)を書くことには明確に反対だ。政府と国民の信頼関係を損なう」と重ねて強調。また、又市征治副党首は「鳩山内閣には日米共同声明を中止し、仕切り直すことが求められている。内閣の命運がここに懸かっている」と語り、声明発表を断念すべきだと指摘。署名を拒否するとした福島氏の方針を了承するよう求めた。(時事)> 
社民党が革新政党としての初心を貫くなら、この方針を愚直に守ってほしい。「連立離脱して孤立するよりも、連立に留まり、普天間問題で政府の譲歩を引き出したと訴えた方が得策だ」というのは、初心を忘れた戦術論に過ぎない。ましや三〇〇万票の社民党支持票をちらつかせて、民主党の妥協を引きだそうというのは見え透いた下心がちらつく下策でいただけない。
福島党首は初心と下策の間で揺れ動いた。だから”暴走”の批判を浴びた。執行部の中には下策にこだわる空気があったやに聞く。だが社民党の地方組織には下策に対する批判が渦巻いている。このまま参院選に突入すれば、社民党の支持票を失うであろう。三〇〇万票は三〇〇万票ではなくなる。
社民党は孤立を怖れてはいけない。政策面でいえば社民党と民主党の距離は、社民党と共産党の距離よりも遙かに遠いところにある。政権与党にこだわれば、社民党は社民党ではなくなる。むしろ民主党内の旧社会党グループの様に吸収合併の道を選ぶべきである。
参院の与党補完勢力として、連立に残留して社民党の主張を実現しようとするのは夢に過ぎない。参院選で与党が過半数を割るのは避けられない。参院社民党は連立維持にとって、民主党にとって絶対的に必要な数ではなくなる。小沢幹事長は参院選後は新たな連立の模索を始めるであろう。
社民党はむしろ政策的に近い共産党と提携して”革新の灯”を愚直に守るべきではないか。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト

コメント

タイトルとURLをコピーしました