朝刊各紙に民主党と社民党の本音が寸評風に出ていて面白い。多くの民主党員は鳩山首相の続投よりも参院選の前に退陣して、新しい総理の下で選挙を戦いたいと思っているに違いない。鳩山支持、小沢嫌い?の渡部恒三元衆院副議長ですら自発的退陣に期待感を示した。
だが韓国訪問中の鳩山首相は記者団に続投の意欲を改めて示した。噂される内閣改造についても「現在そういう発想は持ち合わせていない」とキッパリ否定した。福島党首の閣僚罷免をあえて断行したものの「社民党には連立をこれからも続けていただければありがたい!」。首を斬られた社民党の怒りは、ハトヤマさんには届いていない。
国会質問で小泉元首相をつかまえて「ソーリ!ソーリ」を連呼した辻本清美副国土交通相は民主党内で人気がある。前原国土交通相は「辻元さん辞めないで」と直接、電話で要請したそうだ。本音をいえば、集票力がある社民党に連立を離脱されたら、民主党は困る。つなぎ留めに必死になるのは当然だろう。
そうは言っても党首の閣僚罷免を社民党はオメオメと受け入れて、「のほほんと政権に残るような能天気なことはできない」というのが社民党の本音。連立継続論者だった又市征治副党首は「(連立離脱で)一番困るのは民主党だ。社民党が選挙戦で徹底的に批判し、『うそつき内閣』と言えば、民主党はぼろ負けだ。民主党側からこちらに何か言ってくるのが当たり前だ」と言う。
その心はいえば、鳩山首相が早期に退陣して、民主党が頭を下げてくれば”連立復帰”もあり得ると私はみる。さて鳩山首相の首に鈴をつけるのは誰か?思案投げ首をしているうちに参院選は足音高く近づいてくる。六月になると、いろいろな水面下の動きが表面化するだろう。待ったなしの政局になる。
<民主党の渡部恒三元衆院副議長は29日、TBSテレビの番組収録で、米軍普天間飛行場移設問題の迷走などで鳩山由紀夫首相の政権運営に批判が強まっていることに関し、「本人が(首相を)やると言っている以上、わたしは支える側でなければならないが、彼がこの国の将来、国民のために決断してくれることを願っている」と述べ、夏の参院選前の自発的退陣に期待感を示した。
渡部氏はまた、鳩山首相のまま参院選に臨んだ場合の勝敗ラインについて、社民党の連立政権離脱を前提に「与党で過半数の議席を取る(こと)」と言明。「残念ながらわれわれが負けるようなことがあれば、首相と小沢一郎幹事長に代わってもらわなければならない」と語った。(時事)>
<鳩山首相:続投に意欲改めて示す 内閣改造も否定
【済州島(韓国)西岡省二】鳩山由紀夫首相は29日、普天間飛行場移設問題を巡り、民主党内からも首相の辞任論が出ていることに関し「国を守るという立場で努力することで、国民の皆さんの理解を得たい」と述べ、続投の意欲を改めて示した。訪問先の済州島で同行記者団に語った。
その上で首相は「さまざまな声があることは理解しているが、自分自身のとった行動に理解を願えるよう努力していきたい。それが今の立場での責任を果たすやり方だ」と強調。
連立離脱に揺れる社民党については「連立をこれからも続けていただければありがたい」とし、同党の辻元清美副国土交通相に関して「これからも頑張っていただきたい」と語った。
今国会の会期では「参院選のことを考えれば、いたずらに会期を動かすことを考えるべきではない」と述べ、会期は延長せず参院選を「6月24日公示、7月11日投開票」で実施する意向を示した。内閣改造に関しては「現在そういう発想は持ち合わせていない」と否定した。(毎日)>
<「辻元さん辞めないで」コール…民主つなぎ留め必死
民主、国民新両党が社民党を連立政権につなぎ留めようと駆け引きを始めた。社民党の参院選での集票力への期待があるようだ。同党の辻元清美国土交通副大臣の進退も焦点となっている。
前原国土交通相は29日、海上保安庁の観閲式で記者団に、福島氏の罷免後、辻元氏に電話して続投要請したことを明らかにしたうえで、「JALの問題にしても、交通基本法(策定)にしても、辻元さんには陰に陽に素晴らしい仕事をしてもらった」と持ち上げた。
29日に海外出張から帰国した辻元氏は成田空港で記者団に、「『副大臣を辞めないでほしい』というありがたい電話をたくさんもらった。ただ、党の方針にもかかわるので(党の)皆さんと議論していく」と述べた。辻元氏をめぐっては、社民党内で「党首が罷免されたのだから、内閣に残るべきではない」との声がある一方、テレビ出演などで知名度が高いこともあり、民主党内には続投を求める声が多い。
民主党からは、社民党が連立を離脱し、選挙協力を全面的に解消しないようけん制する声も出ている。
民主党の石井一選挙対策委員長は29日、新潟市で開かれた、参院選で改選となる同党議員の会合で、社民党について、「仲良くしてきた友人だから良好な関係を継続したい。しかし、連立解消になれば、民主党は(2人区では)2人公認する方針を立てており、新潟で2人という選択肢も残っている」と述べた。
民主党は2人区の新潟選挙区で、再選を目指す社民党現職に配慮し、公認を1人に絞っている。社民党が連立離脱した場合には2人目を擁立し、社民党の選挙も厳しくなると示唆したものだ。
これに対し、社民党の又市征治副党首は29日、宮崎市で記者団に「(連立離脱で)一番困るのは民主党だ。社民党が選挙戦で徹底的に批判し、『うそつき内閣』と言えば、民主党はぼろ負けだ。民主党側からこちらに何か言ってくるのが当たり前だ」と語った。
社民党は昨年の衆院比例選で300万票を獲得した。同党は、参院選の選挙区選について「社民党単独で公認候補を当選させる力はないが、競り合いの選挙区では社民党の組織票が結果を左右することもある」(幹部)と自負している。同党幹部は29日、「のほほんと政権に残るような能天気なことはできない」と述べ、自らの集票力を「安売り」しない考えを強調した。
国民新党の自見幹事長も29日、社民党の重野幹事長に電話し、参院選での選挙協力の継続を申し入れた。(読売)>
<社民党:連立離脱へ 地方、国会議員大半「容認」
社民党は29日、福島瑞穂党首が米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で、閣僚を罷免されたことを受け、連立政権を離脱する方向で調整に入った。毎日新聞のまとめでは、「連立を離脱すべきだ」とする地方組織は、全国で34道府県連に上り、党所属国会議員の間でも「党首が罷免され、政権に残ることはあり得ない」との意見が大勢になっている。同党は30日に全国幹事長会議を東京都内のホテルで開き、離脱方針を協議する。
社民党の重野安正幹事長と渕上貞雄副党首らは29日、党本部で幹部会合を開き、全国幹事長会議の対応を協議した。出席議員は「県連の意見は分かれるだろうが、このままのうのうと政権に残ることはない」と明言。会合は欠席した福島氏も同日、静岡市で記者会見し、「私を罷免したのは社民党を切り捨てたことだ」と述べ、連立離脱は不可避との認識を強調した。
地方組織からも、離脱容認の声が相次いだ。鹿児島県連は29日、「党首が罷免されたのに連立政権に残るのは国民の理解を得られない」とし、全会一致で離脱を求める方針を決定。沖縄県連も「党首を罷免してまで、米国の意向に沿う決定は許されない」(仲村未央書記長)などとして、離脱を要請した。
ただ、社民党内には参院選を控え、連立政権を離脱した場合、民主党や国民新党との間で進めた選挙協力に影響するとの懸念がある。重野氏は28日夜、民主党の小沢一郎幹事長と電話で話し、選挙協力の継続を要請。小沢氏は「わかっている。選挙協力はする」と応じたという。29日には重野氏は国民新党の自見庄三郎幹事長と電話で協議。離脱しても参院選での選挙協力は継続するほか、引き続き両党間の定期協議を行う方針で一致した。
また、社民党内の連立維持派が政策実現のため与党残留を求めているため、昨秋の連立政権合意に盛り込んだ政策について、離脱後も与党と連携し実現を図る方針で、与党3党の連携は事実上、維持される可能性がある。
閣内からは連立維持を求める声が相次いだ。前原誠司国土交通相は29日、外遊している社民党の辻元清美副国交相に28日に電話し、続投を要請したことを明らかにした。北沢俊美防衛相も29日、長野市内で「共に政権を目指して選挙協力をしてきた仲だ。連立解消に直結しないでほしい」と述べた。(毎日)>
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5670 参院選前の首相退陣に期待=民主・渡部氏 古沢襄

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