5689 鳩山首相>続投姿勢崩さず 協議は継続 古沢襄

鳩山首相、小沢幹事長、輿石参院議員会長の三者協議は二日に持ち越した。会談の内容は、すべて伏せられたままだが、首相に報道陣が「続投に変わりないですか」と問いかけると、首相はエレベーターに乗る直前、左手の親指を立てて、ニコリと笑いかけた。
平野官房長官は「引き続き話し合う」。だが首相側近の松野官房副長官は「(首相は)辞めません」。首相周辺は「協議の中で首相は続投すると意欲を示した。全然辞める気ないですよ」と続投を強調した。
<鳩山由紀夫首相は1日夜、民主党の小沢一郎幹事長、輿石東参院議員会長と国会内で会談し、当面の政権運営について協議した。党側は(1)社民党の離脱で参院での法案審議は厳しい状況(2)内閣支持率の低迷で参院選は苦戦が必至--との現状認識を伝えたが、首相は政権を引き続き担う意欲を改めて示したとみられる。ただ、今夏の参院選で改選を迎える議員を中心に首相の退陣を求める声は根強く、3者の協議を継続することを確認、2日にも会談する見通し。
◇小沢氏沈黙 首相は親指立て
3者会談は前日に続き2回目で、30分余り行われた。会談後、輿石氏は報道陣に「コメントしない」。小沢氏も沈黙のまま国会内の幹事長室に入った。
首相は約25分、部屋に残った。出てきた首相に報道陣が「首相、続投に変わりないですか」と問いかけると、首相はエレベーターに乗る直前、左手の親指を立てて、ニコリと笑いかけた。
首相官邸に駆けつけた松野頼久官房副長官は「(首相は)辞めません」と強調。首相周辺は「協議の中で首相は続投すると意欲を示した。全然辞める気ないですよ」と語る。
平野博文官房長官は会談終了後、「引き続き話し合う」と記者団に説明。細野豪志副幹事長も「あす以降、継続して協議をするということで今日は別れた」と語った。
首相は1日朝、首相公邸前で記者団に「国民の暮らしのために、何がベストか。政策を大きく変えるために出発した新政権にふさわしい形で、これからも行動していきたい」と政権運営に改めて意欲を示した。
しかし、下げ止まらない内閣支持率に歩調を合わせ、民主党の支持率も下落傾向が続いている。参院選が今夏に迫る中、首相の進退を巡る混乱が長引くと、党にとって致命傷になりかねない。それでも、トップの処遇をずるずると先送りする現状は、首相も党側も決め手に欠ける手詰まり感を象徴している。
1日昼に国会内で開かれた民主党の参院常任役員会では、出席者から「(改選数2の)2人区では共倒れもある」との懸念が出た。役員会後、桜井充参院政審会長は記者団に対し「(選挙情勢は)非常に厳しい。首相と直接話をし、どのくらいの危機感をお持ちなのか、確認したい」と批判した。
民主党の高嶋良充参院幹事長は記者会見で「表紙を代えたら、支持率は当面上がる可能性が高い」と、首相退陣で政権浮揚を急ぐべきだと表明。小沢氏らとの会談後、首相が親指を立てたことに、党内からは早くも反発が上がり、情勢はさらに混とんとしてきた。
一方、国民新党代表の亀井静香金融・郵政担当相は同日午後、国会内で小沢氏と会談した。亀井氏は「全力を挙げて鳩山政権を支える」と伝え、民主党内の首相退陣論をけん制。岡田克也外相も記者会見で「トップを代えれば済むというのは違う」と苦言を呈した。
調整の打開策として、政府内では閣僚人事案も浮上している。社民党の連立離脱で消費者・少子化担当相は平野氏が兼務しており、後継人事で「人心一新」を図るのが狙いだ。蓮舫参院議員らの名前が取りざたされる。また、首相批判が根強い改選期の参院議員を対象に、首相との意見交換の場を設ける案も出ている。
「先ほど、こちらにうかがったら、原中勝征会長から『(退陣論が浮上するなか)よく来られたな』と感謝された。お陰様で、ありがとうございます」
小沢氏との会談に先立ち、首相は1日夕、東京都内のホテルで開かれた日本医師会のパーティーであいさつし、自虐的なエピソードで笑いを誘った。その上で「国民のご指導、ご支援をいただいて、新政権がスタートした。これからも命を守る政治を心がけてまいりたい」と述べ、続投方針を宣言してみせた。(毎日)>
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