5726 民主支持率 朝日は32%、毎日は28%に回復 古沢襄

朝日新聞社と毎日新聞社はそれぞれ4、5の両日に緊急世論調査を実施した。菅直人新首相に「期待する」人は朝日が59%、毎日が63%と、首相交代の効果がくっきり表れた。
また民主党の支持率は、朝日が32%、毎日が28%に回復、「脱小沢」が好意的に受け取られている。だが民主党中心の政権が「続いた方がよい」は38%、「そうは思わない」38%と伯仲(朝日調査)。
<朝日新聞社が4、5の両日実施した全国緊急世論調査(電話)によると、菅直人新首相に「期待する」人は59%で、「期待しない」33%を大きく上回った。参院選比例区の投票先で民主は33%と、鳩山由紀夫首相の辞任表明に伴う前回調査(2、3日)の28%からさらに上昇し、自民の17%(前回20%)と大きな差がついた。首相交代の効果はいまのところくっきり表れている。
昨年の衆院選直後の調査で、首相就任が確実だった鳩山氏に「期待する」は63%だった。菅氏はこの時とほぼ同程度の期待を集めている。
背景には菅氏の「脱小沢」の姿勢に加え、改革の進展や民主党の変化への期待があるようだ。
民主党幹事長の小沢一郎氏と距離を置く菅氏の姿勢を「評価する」は82%、「評価しない」10%で、高い評価を受けている。
菅氏が首相になることで民主党が「変わると思う」は42%、「そうは思わない」49%と悲観派が多いが、「変わると思う」人の中では菅新首相に「期待する」が87%に達する。
参院選比例区の投票先は、鳩山首相が米軍普天間飛行場の沖縄県名護市移設を決めた直後の先月29、30日の調査では、民主20%、自民20%と並んでいた。しかし、首相交代で急速に回復、1週間で自民のほぼ倍になった。政党支持率も民主は32%(同27%)に上がり、自民は14%(同16%)に下がった。
一方、民主党中心の政権が「続いた方がよい」は38%、「そうは思わない」38%と伯仲。民主党政権の将来については必ずしも信認されているとはいえないようだ。無党派層では「続いた方がよい」25%より「そうは思わない」45%が多くなっている。
政治が「大きく変わってほしい」は78%、「それほどでもない」は15%。政治そのものへの変化の願望も強い。衆院の解散・総選挙を「早く実施すべきだ」33%、「急ぐ必要はない」57%だった。(朝日)
<民主党の菅直人代表が首相に指名されたのを受け、毎日新聞は4、5日、緊急世論調査を実施した。菅首相に「期待する」との回答は63%で、「期待しない」の37%を大きく上回った。鳩山由紀夫前首相が辞任する前の前回調査(5月29、30日)で17%に落ち込んだ民主党の政党支持率は28%まで回復。
鳩山氏と道連れの形で同党の小沢一郎前幹事長が辞任したことを「評価する」との回答は81%に達した。菅首相が「脱小沢」路線を鮮明にしたことが民主党に対する期待感を回復させたことがうかがわれる。
菅首相はまだ組閣を終えていないため単純に比較できないが、昨年9月の政権交代直後の調査で「鳩山内閣に期待できる」が68%だったのに迫る期待度の高さと言える。このときの内閣支持率は発足直後としては歴代2位の77%だったが、8カ月後の前回調査で20%まで急落。民主党政権への期待感は今回の首相交代で「V字回復」した形になった。
政党支持率で民主党は前回17%で自民党に並ばれたが、今回、自民党は14%に下がり、再び2倍に差が開いた。参院選比例代表の投票先でも民主党は34%(前回22%)に伸ばし、自民党は17%(同21%)に減少。1月の調査(民主35%、自民20%)より差が拡大。鳩山氏の退陣を求めていた自民党にとっては、首相交代が打撃となって跳ね返った格好だ。
小沢氏の辞任時期については「遅すぎた」が82%を占め、「辞める必要はなかった」はわずか7%。鳩山氏の辞任を「評価する」との回答は58%、「評価しない」は40%で、辞任が「遅すぎた」は49%、「辞める必要はなかった」も23%あった。小沢氏に対する批判の厳しさが際立つ。
その小沢氏が政府・党運営に大きな影響力を持った「小鳩」体制の終焉(しゅうえん)が好意的に受け止められているのは明らかだ。鳩山氏の辞任を受け野党は衆院解散・総選挙を求めているが、「解散すべきでない」が52%で、「解散すべきだ」の45%を上回った。8日に発足する菅内閣の支持率に今回の期待度が反映されるかは、菅首相が小沢色を排した閣僚人事や党運営をどれだけ実行できるかにかかっているとも言えそうだ。
米軍普天間飛行場移設問題を巡る社民党の連立政権離脱を「評価する」との回答は60%、「評価しない」は37%。同党の支持率は2%、比例代表投票先でも3%と低迷したままで、連立離脱が党勢を伸ばす形にはなっていない。(毎日)>
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