5749 参院選:菅首相、勝敗ライン50議席見直さず 古沢襄

菅直人首相は10日、夏の参院選の勝敗ラインを50議席と再度、表明した。内閣支持率が60%台にV字回復した割には低めの設定といえる。
参院の議席数は242。民主党が参院でも過半数を占めるためには122議席以上が必要になる。民主党の非改選議席は62議席だから菅首相がいう50議席だったら112議席、議席数が10議席不足する。参院執行部としては、60議席を獲得目標にして民主党が単独過半数を目指すと言ってほしいところであろう。
過去二回の参院選結果をみてみる。
 2004年 民主50議席 自民49議席
 2007年 民主60議席 自民37議席
菅首相は2004年の岡田代表の下で民主党が獲得した50議席を想定している。しかし自民党は、この選挙で49議席を獲得した。民主党と自民党の支持率が大差をつけている現状からすると、自民党はむしろ40議席前後まで低落する可能性がある。
ということは2004年型参院選よりも2007年型になるのではないか。参院選というのは、民主―自民の対決が基本構図である。これまでの傾向としては、改選数の100議席を民主、自民で争ってきた。残る20議席程度を公明、社民、共産、国民新党、みんな党などで取り合う。この基本構図は変わらないであろう。
ただ今度の参院選で新しい要素となったのは、みんなの党がフタケタ議席を獲得する可能性があることだ。民主、自民で争うパイが100から90にまで下げて考えることも必要になった。
そこまで手堅く考えると菅首相がいう50議席という勝敗ラインも”低めの設定”ではないのかもしれない。当然のことながら参院選後を睨んだ連立の構築を視野に入れていることになる。社民党が連立離脱したので、国民新党だけでは与党過半数を維持できない。
非改選10、改選11の公明党やフタケタ議席を目指すみんなの党が連立の相手方として参院選後には浮上してくる。これらのことを考えて、菅首相はあえて50議席勝敗ラインを重ねて唱えたことになる。予想外に60議席を上回る大勝をしたらどうなるか。その時には君子豹変するのだろう。
<菅直人首相は10日、夏の参院選の勝敗ラインを民主党単独過半数には届かない50議席としたことに関し、「この間、民主党は難しい状況が続き、非常に予測も低かったので、まずは6年前にいただいた議席をクリアすることが今における目標ではないか」と述べ、勝敗ラインを見直さない考えを示した。首相官邸で記者団に語った。
首相は「もちろんそれ(50議席)を超えて、さらに伸ばすことがあればいいが、まず第一段階としては6年前の議席を再度確保することを目標にしたい」と説明した。8日の就任記者会見で「6年前、岡田(克也)代表の下の参院選でいただいた議席がベースになる」と発言していた。(毎日)>
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