5761 「ぎりぎりセーフ」の小沢氏 渡部亮次郎

<小沢氏、辞任の時機「ぎりぎりセーフ」 今後にも意欲
民主党の小沢一郎・前幹事長は12日、和歌山市で連合和歌山との懇談に出席し、鳩山由紀夫前首相との「ダブル辞任」について、「もう少し早ければという思いもあったが、ぎりぎりセーフのタイミングだった」と述べ、参院選を視野に辞任時期を以前から探っていたことを明かした。>Asahi Com 2010年6月12日15時9分
<出席者によると、小沢氏は「鳩山首相と政権の両輪としてやってきたが、こういうことになって迷惑をかけた」と陳謝。「幹事長時代のように地方を回ることはできないが、ぼちぼちやっていく」と語り、今後の政治活動に意欲を示したという。
この日は幹事長辞任後、初めての地方行脚。会合後は、世界遺産に登録された紀伊山地の霊場と「熊野古道」の散策に向かった。小沢氏は今後も連合の地方組織との懇談をこなしながら、小沢氏主導で擁立した参院選複数区の2人目の新顔候補らの陣営を回って支援する考えだ>。
この発言を信じれば、自らの幹事長辞任を早くから決意していたことになるが、真実は総理が交代しても、自身は幹事長留任の途を捜していた。
それが証拠に、菅直人氏からの代表選立候補の挨拶要請をあくまで拒否したことである。小沢氏は6月1日夜おこなわれた鳩山・菅による極秘会談の席で、辞任の決意を打ち明けられた菅氏が「それじゃ小沢を斬りましょう」と提案したことを知って激怒。
その後鳩山総理から電話で「私の意向で辞任する形でいいですね」と言われて了承したものの、菅氏の挨拶は最後まで受け入れなかった。「裏切った菅に斬られた」と思っているのである。
元々小沢氏は菅氏を己のカードと思っていた。ところがその菅が裏切ったことを知ったので、挨拶を拒否しただけでなく、対立候補を立てようと田中真紀子氏にまで働きかけた。
こともあろうに、小泉内閣で外相どころか政治家の資格そのものの皆無であることを天下に晒した真紀子氏にまで断られるほど、彼の周辺には人材と言える政治家が育ってないのだ。独裁者の末路を連想する。
一方の菅総理である。所信表明演説で「私を信じて下さい」とやって却って中身が何も無いことを表すと言う阿呆なことをやったが、口蹄疫の宮崎には土曜を返上して駆けつけ、農家の現場を視察するなど、鳩山を反面教師にしたオポチュニストぶりは徹底している。
これは、水泳に譬えれば一種の立ち泳ぎというべく、参院選もこれで凌ぐ心算だろう。何とかV字を描く内閣支持率を維持したまま選挙を凌ぐには立ち泳ぎ意外に方策はない。
その結果、参院選は「50」議席と菅氏が設定する勝敗ラインを何とか超えられるのではないか。
だとすれば<辞任の時機「ぎりぎりセーフ」 今後にも意欲>と雖も小沢氏の近未来は決して明るくは無い。つまり「本番は9月だ」と捲土重来を期しているにしても、概ね菅氏の代表再選となれば、党内に坐る椅子は皆無だ。
またまた離党すると言っても150人のグループの中から従いて行く者は何人いるやら。寂しい秋の夕暮れになるのでは無いか。
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