5795 中国がギリシア危機をもろともせず投資を拡大  宮崎正弘

ピレウス港の二号、三号埠頭に合計3800億円。張徳江が訪問し調印。もともと二年ほど前から中国はピレウス港をねらっていた。ピレウスはアテネ近郊、エーゲ海クルースの拠点、紺碧の空と濃紺の海と白い建物。青い目のギリシア美女。
中遠集団傘下の中道太平洋公司はコンテナ基地、倉庫建設をすすめ、二号、三号埠頭を35年間にわたる長期契約で借り切り、それをさらに拡大し、周囲にホテル、娯楽設備、ショッピング・アーケート街を建築するという壮大なプロジェクト。いうなればギリシア版お台場、だ。
タイミングが問題で、あたかもIMFがギリシア危機にさいして危機感を募らせているときに、中国が底値でギリシアの主要な運搬倉庫流通設備を買いたたくような仕儀ゆえに欧州人からみれば反感が先に立つという訳だろう。
6月15日、アテネを訪問した張徳江・副首相はパパンドロウ首相と会談し、14のプロジェクトに調印した。この張徳江は現職の政治局員。金日成大学留学組のこちこちの共産主義理論派だったが、浙江省書記に抜擢され、ついで広東省書記。しかし江沢民の三つの代表論に反対して、公然と上海派を裏切り胡錦濤へちかづいたというカメレオン的側面をもつ実力派。
日本の元気のなさにくらべて、かの国のエネルギッシュ、怖い者知らずの投資の果敢さを、どうみるか。
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