5801 独の新鋭潜水艦四隻が台湾に売却? 古沢襄

ドイツの214型潜水艦が米国を通じて台湾に売却されると中国の環球網が報じていた。この四隻はギリシャに売却される予定だったが、財政危機のギリシャから購入拒否に遭って行き場を失っていたという。
ドイツの潜水艦建造技術は、第一次・第二次世界大戦のUボートで連合国に痛烈な打撃を加えた。第一次大戦でUボートに撃沈された商船は約5300隻、第二次大戦では商船3000隻、空母2隻、戦艦2隻に及んだ。
ナチス・ドイツを屈服させた戦勝国の米国やイギリスは、戦後もUボートの悪夢をぬぐい去ることが出来なかった。敗戦ドイツ海軍で建造を許されたのは、500トン級の小型潜水艦に限られている。1990年代になって制限が解除され、水中排水量1830トンの中型潜水艦212A型潜水艦の建造が開始されている。
214型潜水艦は、その後継潜水艦。だがドイツは、この214型潜水艦を輸出用として開発し、外貨獲得に役立てている。
2020年までに潜水艦保有台数を18隻に倍増計画を持つ韓国海軍は2006年から214型潜水艦の「孫元一」「鄭地」「安重根」の3隻を導入。トルコ海軍も214型潜水艦を導入した。トルコとの軍事的な緊張関係にあるギリシャも対抗上、214型潜水艦4隻を導入することになったのだが、ギリシャの財政危機から発注取り消しになった。
しかし建造を請け負ったホヴァルツヴェルケ=ドイツ造船(HDW)にとっては、会社の存亡にかかわる。そこから米国を介して、台湾に売却する案が出たのであろう。だが中国の環球網がいち早くこの情報を伝えた。ドイツは中国とは事を構えたくない。さて、どうするつもりなのだろうか。
http://rchina.jp/article/37920.html
<2009年12月、米外交専門誌・フォーリンポリシーは、米政府が間もなく台湾への武器売却を発表すると報じた。11日付台湾テレビ局・東森ニュースはギリシャに販売されるはずだったドイツの214型潜水艦4隻が米国を通じて台湾に販売されると報じた。11日、環球網が伝えた。
フォーリンポリシーによると、売却されるのは以前取りざたされていた戦闘機F-16C/Dやディーゼル潜水艦ではなく、ヘリコプター・ブラックホークになるという。ロイターは米国務省がブラックホーク及びディーゼル潜水艦の売却を議会にはかる準備を進めていると報じている。
東森ニュースの報道はより大胆なもの。ギリシャに販売される予定だったドイツの214型潜水艦4隻が台湾に売却されるとの見通しを示している。ギリシャは214型潜水艦4隻を発注しているが、騒音や浮上後の震動など数多くの問題があるため受け取りを拒否している。
しかし実際にはギリシャの財政問題が原因であり、214型潜水艦の能力には問題がないという。なお同級潜水艦は韓国、トルコでも採用されている。(環球網)>
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