5873 アフリカ全土に居住する中国人が二百万人 宮崎正弘

欧米が怖れる中国のすさまじいアフリカ進出。資源確保だけが目的とはおもえず、裏の狙いを斟酌すれば。アフリカ五十六カ国のうちの四十四カ国に大使館を設置した中国は、300億ドル前後の投資を敢然とおこない、労力を輸出し、インフラ整備のプロジェクトに融資をつけ、かわりに資源を開発し輸入し、あまつさえ当該政府との間の契約は殆どを中国企業が落札し、いまではアフリカ全土に居住する中国人が二百万人ともいわれる。
途方もない暴挙なのか、世紀にわたる資源戦略の行使なのか。欧米は不安と脅威とがまざりあった心理を抱きながら中国のアフリカにおける行動を注視している。
第一に中国輸出入銀行がアフリカ諸国に対してなした融資は金利がひくく、一部に「ドラゴン・ギフト」(竜の贈り物)と言われるほど有利な条件だからIMF,世界銀行のエコノミストらは「採算を度外視した、おおきな戦略のもとに一貫して行われている」と総括している(『グローバル・ポスト』、2010年6月27日付け)。たとえいばコンゴになされた5000万ドルのローンは、なんと利息ゼロだった。
第二に資源リッチでもない国にも膨大な援助を行っている不思議さがある。たとえばルワンダという国がある。首都キガリと近郊を結ぶハイウェイが建設されているが、このプロジェクトは3070万ドル。すべて中国からの融資。
つまり、これは資源を運搬するルート確保という隠された意図があり、資源交通路を建設しているのではないか。ルワンダは隣国コンゴのように資源がない。ケニア、セネガル、モウリシャスのように鉱物資源の埋蔵が確認されてもいない地域である。
第三にアフリカ各地でのインフラストラクチャー建設をいう『協力援助』は、なべて中国のゼネコンが海外におけるビジネスの橋頭堡確保という意味合いを持っており、欧米のおこなっているチャリティの発想はない。
そればかりか、国際ビジネスに通暁し始めた中国は、さすがに華僑の伝統をもつだけあって、たとえばアンゴラの石油は中国向けにのみ輸出しているのではなく、国際市場で売却している(地理的にも中国へ運ぶより欧米へ売ったほうが有利だ)。
中国のアフリカ進出の多様性、戦略性を欧米は見守るだけか。
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