5882 菅直人首相の危険な思想 古森義久

菅直人首相はかつて共産主義や社会主義にすりよっていた過去の政治歴はあたかも存在しないかのごとく、現実的にひびく見解を述べています。
しかし「三つ子の魂百まで」ということわざがあります。幼い時の性質は老年まで変わらないという意味です。菅氏の場合、幼い時どころか、つい最近まで左翼思想を信奉し、実践しようとする政治活動を展開していました。
その菅氏がいまや人間が変わったかのように、左翼離れのような言辞を続けるのです。単に選挙に勝ち、自分への支持率をあげるためだけの迎合、オポチュニズムではないのでしょうか。
菅氏が実際にどんな政治思想を推進してきたのか。いまこそ過去にさかのぼり、水面下に視線を向けての検証作業が必要です。
その一環として以下の論文の一部を紹介します。筆者は国家基本問題研究所副理事長の田久保忠衛氏です。現代の政治思想の研究では気鋭の学者です。
この田久保論文によると、菅直人氏は国家主権を否定する学者にかつて心酔していたというのです。いまもなおその学者への礼賛は国会でまで述べています。以下は田久保論文の重要部分です。
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「恩師」から探る菅首相の危険思想
菅直人首相はいかなる思想の持ち主か。それを解明する材料は、6月11日の所信表明演説だろう。そこで彼は、松下圭一法政大学名誉教授と故永井陽之助青山学院大学名誉教授の2人を「恩師」として挙げている。
松下氏は、戦後日本の論壇を支配した観のあったいわゆる進歩的文化人の中の大御所的存在、丸山真男東大教授の直接の教え子だし、永井氏は、丸山ゼミ生ではなかったが、、少なからぬ影響を受けたことを自認している。
●松下理論の狙いは国家解体
松下氏の代表的著作『市民自治の憲法理論』は文章が晦渋だが、言わんとするところは、日本が近代国家として守り続けてきた国家主権を転換して「地方主権」を実現せよということに尽きる。
狙っているのは国家の解体以外の何物でもない。
冷戦後、ますます主権国家同士の争いが激しくなっている国際情勢はそっちのけで、明治以降の日本を「市民自治」に切り替えていくというのは空想だ。
菅氏が活動していた社会市民連合の代表は江田三郎氏だった。江田氏はイタリア共産党のトリアッチ書記長が1956年の党大会で提唱した「構造改革論」に飛びついて、社会党から事実上、追放された。
社会党機関紙『社会新報』61年1月1日号の共同討議を読むとわかる。
資本主義の生産関係に労働者が介入して部分的な改革を進め、次第に『搾取の根幹を掘り崩す』過程が明らかにされている。
地方主権を発展させて国を崩壊させる思考と一致しないか。
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