5949 ゲーツ米国防長官とクリントン米国務長官が非武装地帯を視察 古沢襄

民主党政権の日本が蚊帳の外で、米国と韓国の同盟関係の絆(きずな)が強くなった象徴的な出来事が起こっている。ゲーツ米国防長官とクリントン米国務長官が揃って韓国を訪問、21日には両氏が韓国と北朝鮮の非武装地帯を訪れると英ロイター通信が伝えてきた。
韓国防衛について米外交、防衛の首脳が最前線で視察するのは、”極めて異例”と韓国の中央日報も報じている。北朝鮮が神経を立てるのは当然のことだが、中国メデイアも「韓国の冷静でない態度は北東アジアの歓迎を受けられないと同時に、天安(チョンアン)艦事件を口実にこれまで考えることもできなかった禁止区域に飛び込もうとするのではないかという疑問さえ感じさせる」と批判した。
「米国の空母が西海(ソヘ、黄海)に入ってくるという最近の発表と同じように、韓国は韓半島の外の国がどう感じるのかについてほとんど考えていないようだ」と批判をエスカレートさせた。米韓両国は当面は日本海における合同軍事演習を先行させて、中国を刺激する黄海の合同軍事演習を先送りするとみられているが、中国側の疑念は払拭されていない。
中国は国連安保理の対北朝鮮制裁で、北朝鮮を名指しで批判することを封じ込めた形だが、米韓両国が日本海と黄海で大規模な合同軍事訓練を実施することに、北朝鮮のみならず中国にも圧力を加えようとしていると受け止めている。
朝鮮半島の過去の歴史をみると米国は軍事的な圧力を強める中で、外交面で北朝鮮の譲歩を迫る露骨な手法を繰り返してきたが、それにしても国防長官と国務長官が38度線を揃って視察するのは、異例のことである。韓国防衛のために米国の不退転の決意を示す意思表示なのだろうが、大仕掛けな米韓合同軍事演習で窮鼠が猫を襲うことにもなりかねない。
”日本海の波高し”という認識を民主党政権が持っているのか疑わしい。
<[キャンプケーシー(韓国) 20日 ロイター] 韓国訪問中のゲーツ米国防長官は、クリントン国務長官とともに、21日に韓国と北朝鮮の非武装地帯を訪れると明らかにした。
ゲーツ長官は、非武装地帯に近い韓国の米軍基地「キャンプ・ケーシー」を訪れ、「クリントン長官と私が、韓国の当局者とともに明日、非武装地帯を訪れる。朝鮮半島のみならず、地域全体にとって、われわれの取り組みがいかに重要であるかを示したい」と述べた。(ロイター)>
<ヒラリー・クリントン米国務長官とロバート・ゲーツ米国防長官が21日、休戦ライン非武装地帯(DMZ)を訪問する計画だと伝えられた。
ゲーツ長官は20日、東豆川(トンドゥチョン)にある在韓米軍基地キャンプ・ケーシーを訪問し、「韓米同盟が堅固だという点を強調するため、21日にクリントン長官と一緒にDMZを訪問する」と明らかにした。 米国の国務・国防長官が同時にDMZを訪問するのは極めて異例。(中央日報)>
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