5954 バンコックだと半額以下で日本人を雇用 宮崎正弘

いったい日本企業は何を考えて、コールセンターを海外へ移転させるのか?しかも現地での雇用は日本人を半額で雇うという大矛盾。
バンコックの日本系コールセンターは専業だけで五社あるという。ここで働く従業員の大半が日本人である。日本では働くとコールセンターの平均給与は22万円。バンコックでは半額以下ですむ。
しかも働く人たちはバンコック都心のコンドミニアムを借りて、毎日外食して、なお生活にゆとりがあるので、日本人が次々と海外に雇用を求めるという錯綜した状況が生まれている。
このタイプの日本人の若者が、インドネシア、上海、大連、シンガポールあたりも目立ち、推計十万人が海外のコールセンターにはたらく。これは雇用戦線の地殻変動の前触れではないか。なぜこんなことになったか。
第一に企業側の論理は賃金が安く済むことにつきる。現地で現地人を雇えないのは、コールセンターは日本語で処理できなければ意味がなく、微妙なニュアンスを外国人が表現するのは不可能、この言語学的壁が大きいからだ。
欧米企業がインドにコールセンターを置くのは、インド人が英語をこなせるからだ。この文脈ではフィリピンでのコールセンターも増加してゆくだろう。
第二に被雇用側の若者にとっては外国暮らしをしたい。物価の高い日本よりエキゾチックな雰囲気にひたれるからという動機をあげる人が多いという。
 
▲日本の雇用状況に風穴をあけるのは確かだろうが・・・。
だいたい日本にいて年功序列の窮屈な社会を嫌がり、日本から飛び出す人も目立つ。長い人生を熟慮した上での決断とは言えない。
業務内容はデータ入力(日本語)、製品の使い方、eメールオーダー処理、リコール、製品故障クレーム処理など技術的な問い合わせに円滑に応じられるという知識、技量が要求される。メーカーはこれらを下請けの専業企業に発注し、経費を40%前後節約する。
なかでもコールセンター大手の「トランスコスモス」社はバンコックでの雇用が08年リーマンショック前までは60名、現在170名、そして数年を経ずして500名の陣容になるという。日本人従業員の平均月給は930ドル(邦貨換算82000円弱)。
2010年五月の日本の失業率は5・2%と戦後最悪のレベルを続けている。同時に日本で五月だけでも、24万人が職を失った。このあべこべの錯乱雇用状況はいつまで続くのだろうか。
基本的にこういう多元的国際化状況のなかで雇用状態に地殻変動がおきたのは、インターネットの普及であり、世界のどこへ居ても、日本にいなくてもこなせる業務が急拡大したからだ。
    
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★読者の声 ☆DOKUSHA NO KOE ☆どくしゃのこえ ★読者の声★
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(読者の声)今回の金賢姫の来日には何か彼女の企みがあるような気がするのです。北朝鮮を離れて相当年数がたち、新しい情報があるとは思われないし、めぐみさんの情報だって古いもの、横田夫妻が韓国に行けば済む話。
飯塚耕一郎さんに八重子さんに教わった手料理を食べさせたいとのこと、飯塚さん親子が韓国で金賢姫会った時も何かわざとらしい感じがしました。
軽井沢の鳩山別荘を選んだのも、民主党に政治的利用が見え見えですし、この頃何かウラがある! とすぐに疑う私ですが、今回の話は最高にウラを疑う話だと思っていますが・・・。(TS子)
(宮崎正弘のコメント)NHKが「元死刑囚」とまだ呼称して報道しているのも、気にかかります。
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