6021 敗戦利得者の風と国家再興の風 西村眞悟

先に、八月は慰霊の月だと書いたが、同時にその慰霊に蓋をして、敗戦利得者が、その利得の源泉を再確認する月でもある。従って八月に吹く風は、敗戦亡国の風と国家再興の風である。
 
敗戦利得者が生まれた構造は、単純である。子供でも分かる。子供は、集団の中で、腕力の強い者に押さえつけられるか、反発してけんかするか、の二つの行動を選ばねばならない場面にいつも遭遇しているからである。
六五年前の夏、我が国は戦いに負けて武装解除された。そして、武器を持った戦勝国が入ってきた。戦勝国民が支配者で敗戦国民は被支配者となった。すると「戦勝国民」だと言い出す元日本人がでてきた。そして本当の戦勝国は、これらの民を戦勝国民でもなく敗戦国民でもない「第三国人」と呼んだ。
そこで、敗戦国民はいかにして生きたか。戦勝国に対するレジスタンス運動に身を投じたのか。私は、高校生の頃、紀州の山中の貧乏な寺でマッカーサーを殺しに行く計画を立てていた人からその時の話を聞いたことがあるが、しかしこういう人はごくまれだった。
反対に、利益を得るために戦勝国にすり寄って、戦勝国が正しいのですべてごもっともという態度で生きる者の方が多数派になった。そして、敗戦国民であるにもかかわらず、あたかも戦勝国民になりすまして自国を貶め自国の為に命を捧げた同胞を「犬死に」と軽蔑することで戦後を快適に生きるようになった。これを「敗戦利得者」という。
この敗戦利得者は、左翼と単なる権力主義者だ。両者とも無国籍である。つまり、現在の多数派である。左翼は、もともと日本解体を目指すコミンテルンの信奉者であるから、「日本を二度と脅威にならない国に貶める」という戦勝国の論理を受け入れる。
権力主義者は、敗戦国において権力のうまみに近づくためには戦勝国の論理を受け入れるに如かず、と心得た者である。近頃はやりの○○政経塾などでは、この利得の方法や身のこなしを教えてくれるらしい。
そして、この度、菅内閣が企んでいる日韓併合百年に当たる菅総理大臣談話こそは、この敗戦利得者の利得の源を再確認して自国を辱め自称戦勝国に媚びへつらう代物である。
そこで、細かいことではなく、明治九年の日朝修好条約(江華島条約)以来の日朝関係の大略を申しておきたい。
結論、およそ、朝鮮という疲弊した他民族の近代化のために、これほどの貢献をした民族は世界を探しても日本人以外にない。はっきり言って、現在の韓国は日本の存在なければあり得ない。
日本は韓国から感謝されてしかるべきである。なお、百年前の日韓併合は、文字通り併合であって植民地化ではない。これは、19世紀に併合されたテキサス、カリフォルニア、カンザス、アラスカ等々のアメリカ各州が東部十三州の植民地ではないのと同じである。
2001年、ハーバード大学アジアセンター主催学術会議におけるケンブリッジ大学J・クリフォード教授(国際法)は、「自分で生きていけない国について周辺諸国が国際秩序の観点からその国を取り込むということは当時よくあったことで、日韓併合条約は国際法上は不法なものではなかった」と結論づけた。
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コメント

  1. 志士 より:

    開国から日清、日露、大東亜戦争まで日本ほど国際法を遵守し、併合地を発展させた国家があったろうか?勝てば官軍、勝利者のプロパガンダにより自虐史にすり替えられた日本の名誉ある真実の歴史は復活されければならない。日本民族の誇りと名誉は再興されて良い。

  2. こんな感じ より:

    保守市民の大いなる風圧を醸成して、戦後のGHQ弊害を粉砕したいです。
    多くの日本人市民は、保守です。
    理を持って究極の国家観を国益を赤裸々に多くの保守市民に保守市民運動家が訴えれば、戦後、利を持って横暴を来たした左翼、リベラル等は、負の要因を曝け出すことになる。

  3. 通りすがり より:

    日本の歴史・伝統・文化に誇りを持ち、日本の国柄をそのまま、次の世代に受け継ぎたいと考えるものを「保守」と定義するならば、一部の過激な右翼活動と「保守」とは、明らかに峻別される。
    このように定義すれば、多くの日本人は、心情的に「保守」の立場をとるであろう。今こそ、左翼・リベラルによって破壊された日本を取り戻すべきである。
    真の保守の再生を目指し、政治家の方達には、ぜひ頑張っていただきたい。

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