6027 仙谷氏ら党内左派と小沢・鳩山グループの綱引き 古沢襄

国会の閉幕と同時に民主党内の権力争奪戦が顕在化している。これが菅首相の退陣を求め、小沢前幹事長の復権を促す流れと単純に律することは出来ない。むしろ菅首相を挟んで、政権の中枢にある仙谷官房長官、枝野幹事長、蓮舫行政刷新相側と小沢・鳩山グループによる綱引きの様相を深めている。
小沢・鳩山グループは”同床異夢”と仙谷氏はみていた。たしかに小沢政権の擁立を目指すダイレクトな動きとみれば、仙谷氏の見方は当たっている。鳩山前首相も再三にわたって条件付きながら菅首相を支える発言をしてきた。しかし同時に挙党体制の人事刷新を求めている。
六日、国会内で開かれた小沢一郎前幹事長に近い山岡賢次副代表らが呼びかけた150人規模の集会と、鳩山前首相を講師に招いた衆院1回生議員約100人の勉強会が開かれた。ここでは菅首相の退陣を求める刺激的な発言は抑えられ、「衆院選マニフェストの堅持」が統一した要求となっている。
いわば”からめ手”から城内に攻め込んだ形である。その裏には仙谷氏ら党内左派に偏った菅首相の人事の刷新を求める党内保守派をも糾合した動きとなった。間もなく民主党の衆参両院議員(413人)は選挙区に帰るが、参院選の惨敗の総括を選挙区で求められるであろう。
来年春の統一地方選挙を控えている地方の民主党員、サポーターにとってはみずからの死活問題だから、鳩山前首相のいう挙党体制の人事刷新は響きがいい。
これらの動きに鳩山氏側近の平野前官房長官、松野前官房副長官、中山前首相補佐官らが積極的に参加している。小沢氏の色を出さずに小沢・鳩山グループの結束を固めた”からめ手”の戦術は成功したといえよう。
注目の人となっている海江田万里氏は、すでに9月代表選挙に立候補する意志を固めたといわれている。菅首相が仙谷氏ら党内左派離れが出来なければ、海江田氏擁立に動ける”和戦両様の構え”ともいえる。9月代表選挙で再選を目指す菅首相にとっては、例年になく暑い夏となっている。
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コメント

  1. 東北人 より:

    参院選予測を100%当てた古沢塾長の政局分析は予測は見事です。秋には東北講演をして頂いて、ナマの声を聞かせて下さい。

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