7月中旬に中国国家統計局が発表したGDP成長率は10・3%。この数字が正確なであるなら中国のGDPは5兆5258億ドル、日本は5兆2611億ドル(2010年上半期統計から大和総研が推計)となる。
つまり中国は日本をぬいて世界第二位の経済力になったのだ。1980年代初頭、アメリカ人の学生や若者と話していると「日本に行きたい、景気が良いから米国で働くより実入りが良いんじゃないか」と本気で相談を持ちかけられた。
80年代後半、米国の不動産事情をしらべに行った折、白人の業者が案内してくれた数件の物件を見学し、思わず「安い」と言うとじつに不愉快で複雑な表情で見返された。
やがて日本のバブル経済が破裂し、株は往時の四分の一に暴落し、日本経済は沈没し、失業は恒常化し、新卒にまともな職場はすくなくなり派遣社員とかアルバイトでしのぐ「負け組」が増えた。観光地も不況となり過去二年ほど中国人の観光客が増えると売り上げが伸びると期待して誘致したら風呂に不潔なまま入って泳いだり、浴衣もポットも持ち帰り、廊下は痰で汚れ、ろくなことはなかったと嘆く温泉旅館が多い。
ところでGDP世界第二位のニュースを中国のメディアも政府も提灯行列をするほどのうれしさで捉えなかった。不思議である。
日本の若者からも「中国で働きたい」という積極組は少なく、世論調査で中国人が嫌いというのが圧倒的である。
逆に中国人の方が日本に住みたい、日本人と結婚したいと望む。GDPが逆転したにもかかわらず社会心理や価値観の逆転はおきていない。どうやら中国経済の内部にガンが潜むようだ。
バブルの瓦解は時間の問題のようである。
第一に野放図な信用拡大は政府支出に付随して政策的にとられた銀行の貸し出しで、09年140兆円、10年は110兆円を予定している。日本の財政出動の数倍である!
第二は過剰投資で鉄鋼、自動車、家電、石油製品など設備投資と生産の過剰が顕著だが産業全体の整合性がみられない。
第三に地方政府の隠れた債務拡大である。
幽霊マンションは都市でもめだつ。ビジネス・ビルの空室率は北京が21%、上海が14%(公式数字だからアテにはならない。たとえば北京のハイテク・パーク=中関村へ行くと空きビルが目立つ。いや、がらがらである。五輪村近辺のホテルもガラガラだ)。
温家宝首相はこれらを把握したうえでなお「今年も成長率8%堅持」を全人代で高らかに宣言したが、逆に言えば8%を割り込んだ時点で、バブル経済の崩壊が確実に始まるという意味にならないか。鳴り物入りの上海万博も人出が予想を大きく下回り、慌てた当局は行政単位に割り振っての動員を始めた。
とはいえ中国は広く、ひとつにまとまっていると誤認するととんでもないことになる。バブル崩壊どころか、これからバブルが始める地域もある。開発から取り残されてきた中国東北部や復興資金のついた四川省や重慶などに活況が移ったのである。
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6046 上海バブルはまもなく失速 宮崎正弘
宮崎正弘
コメント
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乗っ取られた国家による言論弾圧がいよいよ始まったのか
代表が逮捕に
【在特会】本部より緊急生中継 8月10日(火)18:00~
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