6049 次期首相レースから李克強が脱落、王岐山の可能性 宮崎正弘

香港誌『開放』八月号が最新の北京奥の院情報を解析。発売されたばかりの香港の有力誌『開放』(284号)は、次期首相候補に最有力とされてきた李克強(副首相)は「とてもその器になく、せいぜいが可もなく不可もない官僚」と酷評されており、次期首相には俄然、辣腕をふるう王岐山(副首相)への期待が高まった、と報じた。
胡錦濤子飼いの李克強は団派(共産主義青年団)を代表する指導者であるため、胡がとくに李の育成に力点をそそぎ、つぎつぎと要職につけた。
しかも河南省省長時代にAIDSが発生し、民族暴動が発生しても、李は順当に出世街道を突っ走り遼寧省省長から政治局員へと躍進してきた。
『開放』は無能の烙印をおされた李は派閥力学の関係から、次期全人代委員長への横滑りが予測されているとした。また団派の期待の星のひとり、王洋(広東省書記)も首相候補には挙がらず、重慶書記の薄き来も、次期首相候補からは遠いと予測している。
夏の北京は猛暑、最高幹部連中は七月末から避暑地の北戴河にあつまっている模様だが、動静が伝わるのは、意表を突いて「積極的」な行動をとる江沢民前国家主席である。
江沢民は84歳。かつての政治局員、李青嵐や李瑞環らをともなってオペラ観劇に現れたり、人目に付く行動をとっており、これが胡錦濤ら現下幹部の目の上のたんこぶ、人事に奥から手を回している、と観測されている。
第17期五中全会は十月。習近平の軍事委員会副主席入りは、日々、その確実性が堅まっている。江沢民が懐刀の曽慶紅を通じて、各方面を根回しした結果である。(習近平も、李克強同様に決断力に欠け政治家の資質に乏しい木偶の坊というのが、じつは北京の観測筋の評価ではありますが・・・)
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