ここ二日ばかり、昼は初盆のお参り夜は盆踊りの挨拶回り、残りの時間はWILL誌にご依頼いただいた原稿を書くのに没頭していた。そして今9時50分、やっと一服。
それにしても菅談話でおもしろいなー、と思うのは、韓国、北朝鮮それに中国が、予測通りの反応をしてきよることだ。
曰く、何で韓国だけに謝罪するのか、俺の方はどうなる。従軍慰安婦に触れていないのはけしからん。また、賠償が不十分だ謝罪が不十分だという声も聞こえてきた。
要するに、菅談話によって蜂の巣をつついているのだ。そこで、菅談話に触発されて騒ぎ始める国は、中国、北朝鮮、韓国であるが、これらの国の共通点はと考える。すると、思い当たるのは、これらの国は、反日を「建国の神話」にしている国だと思い当たる。そして、反日であれば賠償という実利もあると経験済みだ。
中国共産党は、自国民を八千万人殺している政権である。中国人民に惨害を与えたのは中国共産党ではなく日本軍国主義者であるとしておかないと政権がもたない。
韓国においては、自国の不都合なことを日帝三十六年間の植民地支配にしておかないと自尊心がずたずたになり精神が安定しない。それほど、惨めで疲弊した歴史を経てきた。従って、この中・韓以外、俺にも謝れ、誤り足りないという国は世界にない。
弁護士の業界に、和解三悪という言い伝えがある。和解というのは仲直りのことであるが、この依頼者は和解が困難だという類型がある。おばちゃんは、和解が困難な人が多い。
さて、私の経験であるが、韓国・朝鮮の人は、和解が困難な人が多い。今夜、やっと和解がなったとする。そしてほっとして明くる朝を迎える。すると、昨夜のこちらが譲歩した和解点からなおも譲歩を求めて昨日の和解を無視する人が多かった。というより、例外はなかった。
だから、菅談話の効果はおもしろい、と眺めていた。ところで、菅談話の巧妙な点を二つ指摘しておきたい。
第一に、日韓併合条約が無効であるとは、世界中で韓国だけが主張しているのであるが、菅談話はその無効論に同調している。つまり、さりげなく「当時の韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって・・・」と記載して無効論に根拠を与えている。
しかし、これは事実に反する。併合を望んだのは韓国人である。その当時の韓国人の視点に立てば、選択肢は、二百年以上隷属した清国の支配下に再び入るのか。日本に敗れて引き揚げたロシアと共にするのか。それとも、近代化に成功した東の海の彼方の日本と共に歩むのか。韓国に自力近代化はあり得ないのだから、この三つの選択肢しかない。
そして、韓国人の多くは、日本と共に歩む道を選んだ。伊藤博文は併合に反対だったが、彼が射殺されてから一挙に併合に進んだ。
次に、「植民地支配で損害を与えた」という表現をしていることである。損害と賠償は不可分一体である。損害という言葉を使えば相手は賠償を持ち出すことになっている。
従って、この談話を発したから友好が深まるなど嘘っぱちだ。この談話によって、これから気の滅入る、腹の立つ「賠償」、「金払え」の話が始まるのだ。
さて、この談話と村山富市談話は、菅氏や仙石氏が村山談話を土台にしたといっているように一対である。つまり、村山談話は「総論」である。そして、菅談話は「各論」である。従って、日韓併合を題材にした菅談話という「各論」がでたのをきっかけに、「戦後」が続く限り今後ますますいろいろな「各論」が出てくるのが現実的になった。
従って、いち早くこの悪のサイクルから脱却するために、「戦後の土壌」を根本から掃蕩する必要がある。これが国家的急務である。
ところで、菅が土台にしたという村山談話ほどばかばかしい談話はない。談話を出した直後の記者との一問一答を再現したい。
村山談話の要点は、「我が国は遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで・・・植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました」という点である。
記者が村山に質問した。「遠くない過去の一時期とは何時ですか」、村山、「分かりません」と答える。
また、記者の質問、「国策を誤りとは、具体的に何をどう誤ったのですか」、村山、「いや・・・分かりません」
これが菅が土台にした「総論」である。要するに、「よう分からんが、何しか、日本は悪い国や」、という談話だったのである。
この村山談話を、以後歴代内閣つまり自民党が引き継いできたのだ!なんたる馬鹿馬鹿しさか!なんたる国民への裏切りか!
その御陰で、村山から十五年後に、正真正銘の左翼内閣である菅内閣が誕生し、村山の総論を土台に各論を発表した。村山と菅は、無責任な一対の左翼コンビである。
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6067 やはり歴史捏造談話ですね 西村眞悟

コメント
反日勢力に国体を与え、利を得ている勢力を精査していくと、意外な事実と村山談話以降の日本歴史的名誉棄損の本質が浮かび上がる。