”脱小沢”で国民の支持を得た菅首相と、”小沢待望論”の「挙党態勢の一致団結」を求める民主党議員の対立をみせつける軽井沢の鳩山研修会となった。菅首相が脱小沢の路線を変えないかぎり、小沢氏のいう最終戦争が始まる。国民の小沢アレルギーが払拭されていない現況で菅氏の脱小沢路線の変更があるのだろうか。
党内力学をみるかぎり左派勢力に依存した菅政権が、このまま脱小沢で中央突破するのは困難視される。小沢氏抜きの挙党態勢構築が現実にあるのだろうか。鳩山氏の側近だった藤井裕久元財務相は「私の想像では、あの方はお出にならないと思う」と小沢氏が最終的に出馬を見送ると述べている。
さらに「必ずしも首相になりそうではない方が(代表選に)出てくるのは問題だ。(首相に)なり得る人は小沢氏しかいない」と指摘した。その藤井氏は軽井沢には姿をみせなかった。
客観的にみれば、朝日新聞と時事通信の報道のように、小沢氏の出馬の可能性が強まったとみる。藤井氏の予測と反対の方向に政局の底流が動いているかにみえる。民主党の九月代表選は国民投票ではない。世論の動向は無視し得ないが、あくまで党内力学の反映としてみないと予測を誤る。
世論の反発はあっても選挙に強い小沢氏を選ぶか、時には参院選のようにずっこける菅首相を選ぶか、民主党員やサポーターも選択に苦慮するであろう。いずれにしても解散・総選挙が早まるとみた方がいい。
<民主党の鳩山由紀夫前首相系のグループは19日、長野県軽井沢町で研修会を開き、衆参の約160議員が参加した。小沢一郎前幹事長も出席した。9月の党代表選で菅直人首相の対抗馬として、小沢氏に立候補を求める声が強まっており、研修会でも「小沢待望論」が相次いだ。
研修会には鳩山グループの小沢鋭仁環境相、中山義活前首相補佐官、松野頼久前官房副長官のほか、小沢グループの山岡賢次副代表、松木謙公国会対策副委員長らが出席。このほか、輿石東参院議員会長、菅首相側近の荒井聰国家戦略相も参加した。
鳩山氏は「今こそ私心を捨て、挙党一致の態勢をどう作り上げていくか、大きな未来を切り開いていく活動の原点に立ち返ることが何より大切だ」と語った。小沢氏もあいさつし、「お互いに力を合わせて一生懸命頑張り、国民の期待に応えるようやりましょう」と訴えた。小沢氏はこの日、代表選をめぐる対応については一切、触れなかったが、研修会への議員の参加状況なども含め、党内情勢を見極めたうえで立候補の可否を判断する構えだ。
小沢氏の立候補について、鳩山グループの松野氏は記者団に「出ていただきたい」と表明。小沢グループの松木氏は「これだけの人が集まって健闘を誓い合ったのは大きなこと」と語り、参加者の多くが小沢氏出馬に賛同しているとの見方を示した。
小沢グループでは山岡氏らが昨年の衆院選マニフェストの原点に戻ることを訴える会合を結成し、新人議員にも同調の動きがある。小沢氏は25日に都内で講演する予定だ。
一方、菅首相のグループは23日に会合を開いて結束を確認するほか、首相が同日から新人議員と懇談する。首相は19日夜、小沢氏が立候補した場合の対応を記者団に問われると「代表選については、しかるべき時にきちんと私の考え方を申し上げたい」とだけ語った。(朝日)>
<民主党の鳩山由紀夫前首相のグループは19日午後、長野県軽井沢町で研修会を開いた。9月の党代表選(9月1日告示、同14日投開票)への出馬を検討している小沢一郎前幹事長は研修会後の懇親会に出席。小沢氏の冒頭あいさつはなかったが、懇親会では「お互いに力を合わせ、一生懸命頑張って、国民の期待に応えられるようやろう」と結束を呼び掛けた。
代表選は、菅直人首相の対抗馬として、党内最大勢力を持つ小沢氏が出馬に踏み切るかどうかが焦点。同氏は来週中にも最終判断する意向とみられ、党内各グループの動きも一層激しくなりそうだ。
研修会と懇親会には、鳩山グループに加え、小沢氏を支持する議員や新人議員などが招待され、研修会には約130人、懇親会には約160人が出席した。出席者からは「しっかりしたみこしを作ったら、乗ってください」と小沢氏に代表選出馬を求める声も出たという。
鳩山氏は研修会のあいさつで「今こそ私心を捨てて、挙党一致の態勢をどうやってつくり上げていくか、一人ひとりの活動の原点に立ち返ることが何よりも大切だ」と強調。懇親会でも「挙党態勢で一致団結しないといけない」と訴えた。
また、小沢氏と盟友関係にある輿石東参院議員会長も懇親会に出席し、「心を一つに生活者第一の原点に戻って行動するときだ」と述べた。
代表選をめぐり、鳩山氏は既に、菅首相の再選支持の条件として「挙党態勢」の構築などを挙げている。研修会などでの一連の発言は、菅氏の再選を支持する前原誠司国土交通相や野田佳彦財務相を中心とするグループが菅氏再選後の「脱小沢」路線継続を主張していることを、けん制したものだ。(時事)>
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6102 脱小沢論か小沢待望論か 古沢襄

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