24日年初来安値。日本の株価はなぜ上昇しない?円高は世界の投機筋が仕組んだ日本経済弱体化の罠ではないのか?
円高に無策な日本。かつてドルを守るために34兆円もの介入をおこなった国が自分の国の通貨を守るのに為替介入をしないのだ。
誰が考えてもおかしいのに、いまの政権トップは中・韓に謝罪する文案をひねり出すことに熱心でも、肝心の国の経済運営に無関心である。「為替介入といっても国際協調で実行しなければ意味がない」と当該官庁のトップが発言したりしている。
官房長官は「事態を注視する」と述べた。ついに株価は9000円を割り込む(24日午前)。
外人投資家たちが日本株の乱高下の主役である。ところが彼らは全体の三割の株式売買株しか展開していないのに市場を主導している。日本勢は、株式の持ち合いがあるため、自由な売り買いをしないのも外人主導を許す主因である。
日本独自の投資家が不在で、かつての是川銀蔵タイプは消えた。四大証券といわれた野村、大和、日興、山一も後者は倒産に追い込まれ、日興は外国証券傘下となり、大和は青息吐息、元気いっぱいの野村と雖もコクサイカに忙しく、国内の株価形成の主人公役を果たせない。
ところが日本の企業業績はあがっていて、株主への配当が米国並みになっている事実を見逃している。スズキは八倍増益、ほかの企業でも四倍はざら、しかもPERが16倍である。
つまり日本国債は1%台の利回りだが、日本株(優良株に限るが)は2・5%台の配当がつくほどに企業利益が上がっているのだ。
にもかかわらず株価が上昇しない。要するにおっかなびっくり、石橋をたたいて渡る日本人の性格が如実にあらわれていて、個人金融資産のわずか4%しか株式投資に向かわないからだ。
この円高無策、株安無策の日本をみてほくそ笑んでいる国々はつぎに何を仕掛けてくるだろうか。
杜父魚文庫
6124 円高無策、株安無策の菅政権 宮崎正弘

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